002 とりあえず何か作るよ。
あの国は忘れてる。
パンが無ければ、奪い取ればいいじゃないって次々に戦いを仕掛けて、パンどころか、ありとあらゆるものをお
そのうちに面倒になって、代わりにやってって・・・。それで、周りの
理由がつまんなかったせいかもしれないけど、そのうちに戦っている理由も忘れてしまった。
お供えすることだけは忘れない。きっかけは、ずいぶん前のこと。本に書いてあったけど、まじめな本を読む人は今はもうほとんどいないし、読んでも本気にする人はいない。
何でそんなに強かったっていうのは、童話で今も伝わっているの。けど、事実って思う人はもちろんいない。国の決まりで妖精が
ぽわっと灯りを出せるとか、火をぽっととか、水をぽたた〜って。しょぼって僕は思うけど。灯りはろうそくの方が明るいし、
でも、僕は知ってる。あんな可愛い妖精さんがすごくて、あの童話が本当のことで、だから巫女が偉くて、そんな人が昔にいて、昔を伝える本のバ〜ンやド〜ン、ピカピカが控えめに書いてあって、一夜で砦を作った話(童話にもある、好きな人が多い)とか本当のことで、砦とか小さいものじゃないこと知ってる。
そう、ぼくはそれが出来るから知ってるの、見れば分かるってみんなに見せたしね。でも、男の
ここはあの国じゃ無いから、コソコソじゃなく、ウキウキで妖精さんにお願いをする。
何か満ちあふれているから、頑張らないで何でも出来そうって感じる。
ここにね。おっきな町を作るの。壁で囲まれたここが町です〜、じゃなくて見えるとこ、ちょっと見えないなあってとこまで全部の。人がいっぱいの町。そりゃ街か都だろって言われそうだけど。ほのぼの〜とか、のんびり〜が大事なの。街じゃなくて、町。村でも良いくらい。あと最初にステキが付くの。で、次に僕のとか私のとか大好きなとか、そんなとこ。
ずっとずっと考えてた。そんなとこにしたいなぁって。
最初はね。水道づくりなの。なんか違うだろ!って声が聞こえて来そう。水は大事なの、最優先!
死んじゃうよすぐに、水が無いと。病気も水から。
美味い酒は水が命! ヤツは水でいい、オレには酒を!って違うよ。
まあ歴史から学べってヤツ。たいていの都市は水で失敗してる。必要になってから後でが、すごく大変で出来なくて。怒られるから、とりあえずとか臭い物にはフタで見ないことにする。最初はモノだったのが、人もだったり・・・あの事は忘れてって、すぐ水に流そうとする。川に魚が住めなくなったって、そのうち誰もって歴史は語ってる。人が増えて、街になって大きくなって臭くなる。臭いのイヤ。病気とか怖い。昔々には、ずっとキレイで素晴らしかった都市もある。僕はその仕組みをもらった計画をもう作ってある。
前々から準備してるから・・って、しつこい?
だいたいは分かってる。見えたから、さっきこの辺のこと。近くに大きな川や湖がある。住んでるのとか、畑作れるとか、色々。すっごく期待してる。
今度は地下を調べる。こんなこと妖精さんじゃないと無理。掘って調べたら、何年掛かるか分からないし、きっとかなりのを諦める。
お願いって、気持ちを込めるの。教えてねって。ここが楽しくなるようにって。見せてねって。こんなの無いかなっとか聞いてみたり。
「硫黄。鉄。銀に金にアダマンタイト。アクアマリン、トパーズ、ラピスラズリ、真珠・・って鉱石違う。
えとえ〜とっって思いつくの全部、
疲れたときはお風呂だって言ってるのが頭に浮かぶ。いや、そんなこと考えてる場合じゃないのに。入ったことないの。来んなって、すごく怒られたから、あれから近くにも行ってない。
そういえば、本で見ことあるけど、ずっと下は熱くって、地下の水がお湯になるって、じゃあこれも地下資源かなあって、お願いに加えてみたり。
お湯で頭がいっぱいになって、もう思いつかなくなった。
河あったし、畑どこに作ろうって思って、土の様子を知りたいなって思ってみると、教えてくれた。
「土すごい! 生気あふれてるっ! 砂利の層、粘土層もあって水田もいけるう。
やっぱり、河・河の向こうに畑が良さそう!
森も濃かったし、地下水浅いとこも、深いとこもっ これってあの山脈の?
いやった〜! 愛してるぅ!」
思わず叫んでしまった。
「ふう」
おひとり様プロの僕は、時々口に出して、想像の
そういえば、夕方にひとりで行くと聞こえるっていう <書庫の声>って七不思議のひとつを捕まえようと何度も書庫に行っても見つけられなくて、そのまま本を読んでいて、こんな風に楽しんじゃっていたなあって思い出す。頑張って見つけようとしても、まあイイヤになっちゃうんだよね。いつも。
そうそう、熱湯層があったの。かなり深くだけど、まさかここにって。狙って掘るのって難しいから、自然に出てるのだけって、本で見たことある。
細い穴で掘る技術はある、割と知られている技術書に細かく書いてあるんだけど、そんなに簡単に掘れるはずが無いっていうより、要はヤレって言えば済むことで、ドカンとやらせて自慢したいんだって。
新しい本には、もう書いてない。失伝が確定している。このまま行くと、タイトルとできあがり図。モノによってはタイトルのみっていう、目録みたいな技術書になるだろうし、改定の度に巻数が減っていくのを見ると次は軽くするためってなりそう。聖都の技術者って、実はやり方を知らないから「コレをヤレ」しか言わないし、監督でいいんじゃ無いかなって、去年出た新刊(全1冊)が本当に目録になっていて、ぱらぱらっと見たとき終わった〜って、思ったかな。
奴らに禁書庫と言われている、素晴らしい知識の宝庫は全部僕のモノで、いつか返してもらうと本気で思っていたりする。
急に湯源とか、色々見つかって。奥の低い山?丘?が資源の宝庫。
見つかると奇跡の何とかっていわれるガスや油もありそうな気配を感じていて、実は元々がすごい土地で単に見つけてくれただけなのか、妖精さんのミラクルな何かで創ってくれたのかは、分からないけど。
ものすごく楽しそうに踊ってるので、「ありがとう!」と、強く感謝しとく。
あまりにも可愛くて、手をワキワキさせて近づいた僕に小さな手でペタペタ触ってくれた。
うれしくて、うれしくて あるはずのないレベルアップの音が心で鳴り響いていた。
妖精さんのかわいさで何かが、何かが開放したって気がする。
なんか
よし、今なら何でも出来そう。いきおいでっ
水道作るよ、水道。上と下。さらに特上も付けちゃおう。さび抜きでっ。もう一個できるけど後々。
頭の中で、こうムニャムニャとね。町の計画をね。考えるの。計画は大事。水道、変えるの難しいの。ばん、ば〜んって建てた後だと、あれ繫がらないとかなっちゃう。それで、道路を掘って、埋めてでガタガタになっちゃって、コラ〜って言われてキレイにするのに最初の倍以上のお金掛かっちゃう。で、最初にってこと。作ろうとしている道路は、すっごいから、後で道路に穴開けてっていうのは多分無理。
ようやく、イメージが出来たので、それを伝えるの妖精さんたちに。細かく細かく・・・。
だいじょぶって感じがしたら、おねが〜いすると、あちこちからゴゴゴって音と、細かいぐらぐら。僕の背ぐらいの深さに腕で丸を作ったくらいの太さの管を作ってもらった。石みたいだけど水が染みでない。同じのだと、すっごい速さになるから途中に休憩するところがあって、薬とか発酵とかするのを混ぜる。流れがあるとぽろっと入る仕組み。それがニオイを消してくれるんだけど。どうしてかは昔からの秘伝なので、そのまま作る。狙っている禁書庫のどっかので分かると期待してる。それが下に貯まって、じっくりと寝かせてから混ぜ混ぜして、肥料になるようにする。キレイにした水は、魚にチェックしてもらってから川に流すの。処理するところで、それぞれ違ったのが出来ると、喜ぶ野菜が増えると思う。
お金の元になるから、これから作る石鹸も気にして作るつもり。人糞肥料が手軽なのは分かるんだけど、取っとくとか臭うのヤダ。集める人とか、すごく嫌だと思う。トイレは水洗。ばーっとすぐ無くす。臭わない。試しで作ったトコ、すごく喜ばれたから大丈夫なはず。
あの都市も全部が水洗で、そのまま川に流す。なのにトイレは臭い、途中はもっと。川はとっても臭い。でも魚はいる。すごいと思うんだけど食べたいとは思わない。下流の方の人、可哀相と思う。
水は地下水から。高いところに大きな桶を作って、その流れで勢いを出す仕組み。水を上げるときはチョロチョロで良いので、簡単な仕組みを作って、小さい精霊石をはめる。仕組みは簡単で良いの。石が不思議な力で色々するというステキアイテム。これが上水で、建物とセットになる。
今は気分が良いので、その間は特上水も付く。遠くの山脈に降った水が時間を掛けて届いたモノ。きっとおいしい。楽しみ。
井戸は作るけど、雰囲気のためと悪い人対策。悪い人は井戸に毒を入れて弱ってから悪いことをするから無いと怪しまれると思う。毒っぽいのを入れると玉が飛んでくる仕組み。で、臭うので分かる。何したかは、わからないけど、このニオイは悪人の印。みんなが警戒するようになる。
テストでニオイがしばらく取れなかった人は、アレは仕方ない、自業自得だと周りが言うからセーフ。
獣糞については、肥料と燃料で考えている。ニオイは少ない。当然消す。これは子供の仕事に出来る。みんなが町を支える。これは大事な事。
それからって考えたら、眠くなってきた。取っておいた果物をかじる。眠い。
でも、みんなの寝るところ作らないとって、ぼーっと、大きくて、広くて、トイレ・調理のとこって思ったところでバタって寝た。
きょうは頑張った。ナデナデしていいよ・・
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