恋人



ケイタイを充電しなきゃと思うのは恋のせいです きっとそうです





彼女のコップの麦茶をのんでいるような関係性をのせるテーブル





由比ガ浜、湯の山温泉、柚子の花、イニシャル・Yのひとばかり好き





2Lの水ばかり飲むふたりきり遮光カーテンに朝をわすれて





薄黄色のベッドからぽんと落とされてソーダぷっちょはころころ四角





留守録に吹きこまれたる君の声くりかえし聞く深夜の家路





傷ついたパセリのような腕で抱きかすれた声で好きという君





愛される資格ないなんていう君の豚丼食べてるところとか好き





左手を虹のかたちにふりながら君のさよならはすこしまぶしい





こわいくらいにしあわせなので五日間洗濯物をためこんでみる





君のバイトが忙しかったその夜はじゃがりこチーズを七対三ななさんにする





レモン色のベッドに頬をよせてみてなんだか煮干しのにおいがしてる





どんな顔で歩いてんだろさっきまで手をたたくほど笑っていたけど





夢にでた黒い口裂けモンスター、「最後の恋だ」としつこくささやく





君が飲むアイスカフェラテが水になる過程のように話しつづける





笑った顔、笑った声 世界一かわいい君は朝青龍に似てる





かなたからあなたへむかう電車には伏し目がちな僕を乗せてください





いやらしい独占欲を満たしたい頭から鯛焼き食べるみたいに





背骨きれい脇腹がきれい声がきれいあなたが好きであなたがきれい





デートする場所探したりバイト帰りに手をつなぐひとそれが恋人

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