Episode.18



「フント、昼どうする?」

 「うーん、今月ピンチだからなぁ…」


「お前いっつもピンチじゃね?笑」

 「お金使って、経済を活性化させてんの」

「なんじゃそりゃ 笑」


 「『フントノミクス』…知らない?」

「ねーよ、んなもん 笑」


 「だは 笑」


「んじゃぁまた学食行くか」

 「いや…学食も…無理、かな 」

「お前貢献し過ぎだろー 笑」


 「コンビニでパン買って…それで午後乗り切る!」

「パンだけて 笑」


 「あとは…水道水!! 」


「お前、サークルあんだろ」

 「水でしのぐ!! 笑」



「…学食行くぞ」

 「は?」


 「俺のこの綿密なプラン、いま聞いたでしょ」


「学食くらいおごってやんよ」

 「え?」


「今月ピンチなんだろ?今月は俺のお・ご・り」

 「雅彦君、超太っ腹なんですけど~!!」


「その代わり、はい」


 「ん?なにその手」



「おて」



「何の代償も無しに昼飯にありつける程、

 世の中甘くないの」

「貸し借りなしで奢るんだから、

 こんくらいはできるでしょうよ~」

 



 「・・・」



「おて」


 ちょん


         くすっ



「おかわり」

    和美ぃ~ちょっとこっち来てみな


                  なになに~?

      おもろい事やってるよ

 ちょん




 「…んー、なんでしょう」

      いつものコンビじゃん



 「このちょっとした羞恥プレイは…笑」



「おすわり!」

       くすっ あはは

 すと

          あいつらまたなんかやってんぞ

                     本当だ


「ふせ!」


 がばっ!

         爆笑 失笑

                  開き直った 笑


「おまわり!」


 くるんっ!

                  回転早つ!笑


       お腹いたい笑 爆笑




「よこやまぁ~フントくん!」



 「わんっ!!」

                      爆笑

         大爆笑 爆笑



「よ~しよしよしよし」

 「キューン キューン」


                      拍手


       はぁーおもろかった笑 笑




「よしフント、学食行くぞ!」

 「わん わんっ!」












がつ がつっ!


「しっかしお前、ホント美味そうに食べるよなぁ」

 「んふ ^^」


もぐ もぐ


 「飯食って旨いって思わない奴なんていないだろ」

「いやわっかんねぇぞぉ」


 「いねぇだろぉ」

 「んな奴いたら人生の半分は損してるよ」


がつ がつっ!




「おて」


 「もうやんないって 笑」


がつ がつっ!


「んでさ、食ってるところで悪いんだけどさ…」


 「ん?」


もぐ もぐ


「『秋葉栞がレイプされた』って噂、信じる?」



 「んふ゛っ!?」

 「…ごほっ ごほっ」


 ごく ごくっ


 「…んはぁ」


 「なにそれ!?今初めて聞いた!?」


「なんだよフント、知らなかったのか」

「高嶺の花ばっか眺めてるから

 もう知ってるかと思った」



 「んー…」


 「でもフツーに大学きてるやん」

「なんか、何日か来てなかった時があるんだってよ」



 「…あぁ」


 「…確かにいなかった時あったねぇ」


「さすがストーカー 笑」

 「ちげぇよ! (● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」


「んでその休んでた日ってのが、

 ニュースになってるやつと重なるんだって…って」


「…フントはニュース、見ねえよなぁ」

 「俺だって見るよ、ニュースくらい」


 「何森遥架のやつとか、リーガ速報とか…」


 「…あ!」


 「あと『ローストビーフ丼食べてみた』

  ってやつとか」


「・・・」



 「…なんだよ、その目は…」


「ううん、なんでもない」



 「…って


  なんでもなさそな顔で言うなや! (● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」


「笑」



 「あれじゃね?『ねたみ』ってやつ?」

 「片瀬とランチデートしたって話もあるし

  …片瀬ファン多いやん」


 「それにさぁ…」




 「・・・」




「ん?どした」


 「…ウワサをすれば」


「あ?」




「…ホントだ」




 「案外あの2人かもね、ウワサ広めてんの」


「あぁ、そういう線もあるか…」

「アイツらよく本人のいないとこで

 悪口言ってっからなぁ」


 「それにさぁ、

 そんなん広まってたら来れないでしょ、フツー」


「それなんだよ」



「んでお前の目から見てどう見える?今の秋葉栞」




 じーーーっ




 「うーん…」




 「ちょっとメイク変えたのかなぁ…」



 「より『キレ可愛い』の安定感が増したかも^^」


「ストーカーのお前がそう言うんだから、

 ホントにウワサだけなのかもな」

 「だからちげぇって!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」



 「でもそんな噂広めるなんて…女ってこえぇな」










 「でも心配してたんだよぉ~、真由美と二人して」

 「ねっ、真由美」

  「うんうん」

 「既読もつかなかったからさぁ、

  事故とかにあってたらどうしようって」


「心配してくれてありがとね」





 「…んで」


「ん?」



 「なんかあったの?」「うんうん」



「ハワイ行ってたの」


 「は?」「へ?」



 「ハワイ…」

「うん」



「いとこのおにーちゃんの結婚式があったから、

 それで行ってたの」


「あ!お土産とか買ってきたほうが良かったかなぁ…

 忘れてた 笑」

「ごめんね^^」


 「いや、それは別にいいんだけど…」


「向こうにもウチあんの、言ってなかったっけ」


「私ってその場のふいんきを楽しみたいひと

 だからさぁ、写メって好きじゃなくって」

「だから式の写真は全然撮んなかったんだけど、

 向こうのウチの写真は…」



「…あった、あった」


 「すごっ!」「ひろっ!」



「んでね」

「そこにね、おにーちゃんたちが住むことに

 なってたから、私物撤去してたの 笑」


  「そうだったんだぁ」

  「安心したね、早織!」


 「…うん」


「そしたらさぁ、前言ってたお気にのワンピ、

 あっちにあったの 笑」

  「あれ見つかったんだぁ!」


「いっくら探しても見つかんなかったけど 、

 ハワイじゃ見つかんないの当たり前だよね 笑」


  「あのワンピ超可愛いかったもんね~」


 「…う、うん」



「早織、具合でも悪いの?」


 「ううん、そんなことないよ!」


「じゃ私レポートまだ終わってないから、

 スタバ行って仕上げてくるよ!」


 「はーい」「いてらー」




「・・・」



「…ふぅ~~」

「生きた心地しなかったぁ~…」


 「ん?」


「あの噂、でどこは知らないけど、あたしも

 それ聞いていろんな人に言っちゃったから」

「…なに言われるかドキドキもんだったよぉ」


 「そういうことか 笑」


 「でも問いただす事も気にしてる様子も

  なかったから、ホントに単なる噂みたいね」


「だねぇ」



 「…でもいいなぁ」

 

「なにが」


 「ハワイ」

 

「なにあのウチの広さは!」

「栞がお嬢さまってのは知ってたけど、

 あそこまでとは…」


 「本場のロコモコ食べたーぃ…」


「てかもっと早く教えてくれてれば、

 遊びに行けてたかもしんなかったのにぃ」



「…わざと隠してたな、きっと」


 「…ブルーハワイってあれ、何味なんだろうね」

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