泡のような君
@jia3232
第1話
あれは、僕「宮野海斗」が高校1年生だった頃に出会ったある女の子との物語。入学式の日、僕は初めて白く透き通る肌を持ち人魚のように足を揃えて車椅子に座る君に出会った。彼女の名前は「夏川すず」。静かな雰囲気を漂わせている彼女は、僕の心をどんどん惹きつけていった。
「おはよ〜」
入学式、オリエンテーションが順々に終わっていき、今日から本格的に授業がはじまる。僕のクラスは1年3組。あまり周りには知っている人がいないが、あの入学式に出会った夏川すずと同じクラスになれたことに少し嬉しさを覚える。
「宮野〜、お前なんの部活に入るか決めた?」
「ん〜、まだ決めてない。お前は?」
「俺?やっぱりサッカー部だろ」
こいつの名前は「佐々木翔太」。僕と小学生から一緒にいる友達だ。
「宮野、あの窓側の席の車椅子の女子知ってる?」
「ん?あー、夏川さんのこと?」
「そそそ。見た目は静かだけど怖そうだよな。」
確かに、夏川さんの見た目は冷たそうに見える。けど僕には別なように見える。
「佐々木うるさい。」
まだ夏川さんとは話したことは無いけれどいつか、話してみたいと思う人の1人だ。
-----放課後------
掃除当番を終え帰ろう僕は教室へ戻った。
「ガラッ」
扉を開くと教室の中には夏川さんが一人でいた。
(夏川さん…なにをしているんだ?)
僕の心の中で疑問が浮かんだが、夏川さんを見ていても彼女は窓の外をずっと見つめたままだった。気になった僕は勇気をだして話しかけてみる。
「夏川さん。なにしてるの?」
「……」
「あの……。」(やばい気まずい)
話しかけても返答がなかったが、彼女の視線の先を見るとそこには広く広がる海があった。
「海を見てるの?」
「…」
話しかけても返答はないが少し頷いてくれた。すると、彼女が
「海…貴方は海が好き?」
急な質問に少し戸惑ったが
「うん。好き。君は?」
「……」
また無視をされてしまったが、彼女は微笑んでいた。そして1枚の紙に何かを書いて教室から出ていった。その紙には…
泡のような君 @jia3232
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