3-3
ころころマーケットは、はてな町の中央広場で行われる。
中央広場は石畳で作られた、円形の広い広い場所。
そのど真ん中に、はてな島の
ツルツルで
――結局、僕の仕事にくっついて来たコマリと、ころころマーケットの
今、四匹でキャットタワーの前に居る。
コマリとハヤテの二匹は、
その表情は暗い。
「なんだなんだ? キャットタワーが何かあるのか??」
ハヤテの表情を読み取って、尋ねるソックス。
しかし、この話題は続くことなく途切れてしまった。なぜならば、僕の事をず〜っと待っていた猫が、ズンズンと向こうから早足でやって来たからだ。
「遅い!!
僕の頭を猫パンチするミケランジェロさん。びっくりするコマリ。
「早くワンダフルさんにお知らせを聞いてこ〜い!!」
「にゃ、にゃい!!」
「そして、お前も! 早く行かないと、透明の筒が無くなるぞ!」
親切心じゃなくて、ソックスを追い払いたいだけのミケランジェロさんがわざと
「にゃっ!! じゃあマメ、俺達は商品の方へ行くからな~」
と、ハヤテと肩を組んでイソイソと後ろ手を振るソックス。もはや、
……こういう時、大人なのにお仕事をしていない彼が
僕もふつうにお祭りを楽しみたいにゃあ~!!
残された僕とコマリは、ミケランジェロさんに
(ΦωΦ;)&(*ΦωΦ*)〜〜♡
ワンダフルさんは、海岸沿いのゴミ拾いボランティアの会長さん。
とっても気の良いおじさんで、とっても元気でパワフルで、とっても話が長い。
でもね、それよりも、気になるのが……。
「そこで海に飛び込んだ時だワン?
――
ワン、ワンって。
……ワンって、何にゃ?
ワンダフルさんの容姿は、耳が二つ。目も黒い。綺麗なクリーム色の毛並み。髭もあって、しっぽもある。うん、猫の容姿なんだけど……なんか猫離れした体格というか……大きい??
大きいワンダフルさんはとかい島の子孫なんじゃないか? って言う猫も居るけれど、僕はコマリとハヤテ、兵隊さんを見て、同じ大きさだったのを確認した(兵隊さんは大きかったけれど、ワンダフルさんほど大きくないにゃ)。
「……と、いう訳で、募集の記事を頼むワン!」
「――はっ! 分かりました!!」
ぼんやりとしていたら、話が終わっていた。僕は慌ててボランティアの事をメモした。
(ΦωΦ;)&(*ΦωΦ*)〜〜☆
仕事は
「よし! 俺も記事のネタは仕入れた。じゃあ、後は熱い内に記事を書けよ! あと、とかい島の二匹の事、頼んだぞ~!」
ハッカ笛を
僕達は
««(ΦωΦ;)»»&(*ΦωΦ*)〜〜♪
ソックスとハヤテは五十音表を介して
「お待たせ!」
「マメ! 凄いぞ!! 大発見だ!! 俺はここに並ぶ道具をとてもユニークな使い方をしてた事が
目を輝かせて、
「これはな、【ペットボトル】と言う物らしい。とかい島では使い捨ての
「へええ! でも、水筒なら
そう、この筒は
すると、ソックスは震える手で、コインぐらいの小さな円柱の物体を持ち上げた。
「見てろよ、これが……」
透明の筒の穴部分と、円柱の物体をくっつけて
「にゃあ!! くっついた!!」
「凄いだろ!? 凄いだろ!? これで、水筒になるんだ! しかも、漏れない!」
「なんで? なんで? 凄いにゃあ!!」
「筒の穴と円柱の内側にうまく切れ込みが入っていて、それがシックリ合う様になっているんだ。凄い技術だ」
「ハヤテ君は頭が良い! 俺の助手にしてもいいぐらいだ!!」
そんな笑顔したら、きっとはてな島の女の子達はメロメロだにゃ。実際、ハヤテを見かけた女の子達の頬はみんな赤いにゃ。
それからも商品の説明に夢中な二匹。
僕とコマリは盛り上がる二匹の背後で、全くもって
お互い、ころころマーケットの商品に興味がないからだ。
コマリを見れば、彼女は真横を向いて、何かを見ていた。
その視線を追うとその先には
僕は「コマリ」と声を掛けた。
そして、言った。
「一緒に、屋台を回ろうよ!」
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