にゃんと不思議なはてな島

さくらみお

【この物語を読む君へ、大切なお願い】



 初めまして、こんにちは!

 私はこの物語の案内者ナビゲーターMエムと申します。


 『にゃんと不思議ふしぎなはてな島』を見つけて、手にとってくれたそこの君!

 本当にどうもありがとう!!


 主人公の猫・ソラマメと一緒に、愉快ゆかい不思議ふしぎな体験する前に、君に一つだけ大切なお願いがあるの。

 

 とっても秘密ひみつの話だから、もしも家族の居るリビングや、学校で読んでいるなら、こっそりと本を開いてね。

 本当にしー、しー、しーー!

 だからね!






 ……大丈夫かな?


 ――では、秘密のお話を始めるよ。


 舞台となるはてな島に住む猫達は、みんな明るくて、優しくて、温和おんわで、良い猫達がいっぱいなんだ。


 でもね。


 この島には一つだけ秘密がある。

 それは、新月の日の真夜中。


 彼らは、いつもは心の奥底に閉じ込めている『本当の自分』が表れてしまう夜があるんだ。月の無い暗い夜に表れるから、他の島の学者猫は、その現象を『ブラックにゃんデー』と名付けたんだ。

 不思議な事に、はてな島で生まれた猫にしか起きない現象なんだって。


 ――君にもあるよね。


『本当は、こんな自分になりたいな』とか『あんな風な猫になりたいけれど、お友達に嫌われちゃうかもしれないから、なれないな』って言う気持ち。


 本当なら、いつでも素直な自分でいられたら最高だけど、みんなと仲良く暮らすためには、心に一つや二つは閉じ込めた自分がいるはず。


 そういう心に閉まった本当の気持ちが、おもいっきり出ちゃう夜が『ブラックにゃんデー』。


 そして作中には、『ブラックにゃんデー』の夜が出てくる。


 はてな島の猫達は、自分たちがその日の夜に『本当の自分』をさらけ出している事を知らないんだ。

 記憶がぷっつりと無くなるんだって。

 そして、中にはとっても凶暴きょうぼうになる猫も居るの。


 ……そんな事を聞くと、今からはてな島に遊びに行く君は、とっても不安になるかもしれない。


 でも、ご安心あれ!


 はてな島には昔から『ブラックにゃんデー』に暴れる猫から君を守ってくれる、強~い『守り神』が居るからね。


 だからね。


 もし、君が今からはてな島へ遊びに行っても、はてな島の猫達には『ブラックにゃんデー』の事は秘密にしておいて欲しいの。

 その事実を知ったら、恥ずかしくて、お家から出られなくなっちゃう猫も居るからね。



 ――さあ、準備はいい?



 そろそろ主人公のソラマメが、君に会いたくて、待てずに尻尾しっぽを振ってやって来るよ。

 いい? ここだけの秘密だからね。

 

 約束だよー!!




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