運命の行く先に
四ノ崎ゆーう
第1話 大切な約束
「わたし、おおきくなったらにーにとけっこんする!」
「そうだね!じゃあ、まってるからね」
「何年前の話だろ……。13年ぐらい前かな。今はもうお互いに高校生だね。このときの約束まだ、覚えてくれてるかな?」
私は、幼稚園の頃のアルバムを読んでいて幼かった頃のことを思い出していた。 私は昔から、お兄ちゃんが大好きだったな。もちろん、今も大好きだけどね。
「
「ちょ、待ってよ、お兄ちゃん」
「大丈夫だ、置いていったりしないから」
私のお兄ちゃん、
「じゃあ、私達はあとから行くからね、いってらっしゃい」
「「いってきます」」
とうとう、私も高校生かー。
「漣那ももう高校生か〜、早いなー。この前まで子どもかと思ってたのに」
「なに、私はずっと幼いって言いたいのか?」
「そういうわけじゃないから、その手をしまってくれ」
「そっか、ならいいや」
「ふぅ〜」
ふふ、お兄ちゃんはとっても優しいんだ。昔も今もとっても優しい。私はそんなお兄ちゃんが大好き。いつも私に世話をやいてくれるお兄ちゃんが大好き。その、好きは、
「うちの高校しっかり紹介してなかったよな」
「うん、オープンスクールでちょっと見たぐらいかな」
「そうだよな、じゃあ放課後、紹介してやるよ」
「マジ!?やったー!」
やったー!お兄ちゃんとふったりっきり〜!
〜15分後〜
「着いたね」
「ちょっと漣那にとったら早いかもな。俺は生徒会で入学式のリハあるから先行くわ」
「うん、頑張って」
……。何もすることないじゃん。高校と言えばみんなが言うこと…、“青春”だよね。恋とかしたいねって。そうだな、私の…好きな人は……――。
「あ!漣那ちゃーん」
「あ、
「おはよー。とうとう今日から高校生だねー」
「そうだねー。なんか実感わかないや」
「あ、それあたしも〜」
「クラス発表何時?」
「8時15分から」
「まだ、時間あったね」
「だね〜。一緒のクラスだといいな」
「あー、あたしも思ったー」
どっちにしろ、まずは、クラスに馴染むこと、友達を作ること。これが第1任務だ。
「おーい、2人とも、おはよ〜」
「ん? あんた誰?」
「ちょちょちょ、登校初日から冗談キツイて〜」
いや、マジで誰だっけ?
「そういえば、多橋くんもここの高校だったね」
「そうそう、家近かったからな!」
あ!思い出した。いつメンの1人だ。最近あってなさすぎて忘れてた……。
「多橋、そんな家近いの?」
「まぁ、歩いて10分ってとこ」
「まぁまぁ近いじゃん」
言うて私も15分程で着くけどね。これは近いのかな?
「はーい、みなさ~んクラス発表ですよー」
「よし! 来た!」
「見に行こうぜ!」
「「うん」」
「まさか、中学時代のいつメン全員集合じゃん」
「だな。しかもみんな席、近くね?」
「あっははは、会話しやすいね」
「あ、もう、みんなお揃いで」
「お!
「おっす!
「漣那〜、紗友〜、おっは〜」
「あれ?いつメン集合じゃね?」
「そうなんだよ」
「びっくりだね〜」
これが、私のいつメン!紗友、心華、里井、多橋、私!この5人でいろいろしてきたなー。また1年一緒だ。
「はーい、みんな席について。ホームルーム始めるよ」
『はーい』
「改めまして、おはようございます。今日から1年2組の担任を務めさせてもらう、
へ〜、結構若い先生だなー。優しそうだし。
「じゃあ、このあと体育館で入学式やりますから体育館に移動してください」
『はーい』
〜入学式〜
「皆さん、入学おめでとうございます!生徒会長の
うーん!やっぱりお兄ちゃんカッコいい〜、これ見ながらご飯3杯いける!
「続いて、校長先生のお話です」
そして、入学式も終わり、あっという間に放課後。
「よーし、仕事終わり!」
「お兄ちゃん〜」
「漣那、そっちも終わったのか?」
「うん!」
「じゃあ、桜の前で記念写真撮ろうぜ!」
「いいじゃん!」
「よし、じゃあ、行くぞ」
“パシャッ”
「よし、撮れた」
「母さんありがとう」
「いいのよ、これくらい」
「次は家族写真行こうぜ!」
「おう」
お父さん、カメラゴツすぎ!めちゃくちゃ気合い入ってんじゃん。
「撮るぞー、せーの!」
“ピ、ピ、ピ”
「お父さん早く早く!」
“パシャッ”
いい写真撮れたねー。というか、それよりいい写真がね――。
「後で家族ラインに送っといてやろう!」
「サンキュー、父さん。じゃあ漣那、約束通り学校案内しよう」
「やったー!」
「じゃあ、お母さん達先に帰ってるわね」
「はーい」
そしてこのあと、お兄ちゃんに学校を案内してもらいました。
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