第1話 妊娠疑惑と陽性反応、そして恐怖

 妊娠しているかもしれないなと思ったのは、6月1日頃でした。

 生理予定日は5月27日で、これほど遅れたことはなかったから。

 けれど、2ヶ月ほど前にも生理が遅れ、まさか……と思った次の日に生理が来てガッカリ、なんてことをしていたので、期待しないで予定日から1週間後を待とうと思いました。

 1日から1つの現場に付いていたこともあり、同じ担当の人間に話しておこうかと悩みましたが、その日はやめました。

 5月末頃からどうにも寝つきが悪いと言うか、夜中にちょこちょこ起きることが増えて、それも変な感じだな〜とは思っていました。


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 2日、どうにも吐き気が。それとげっぷがひどくて、これはもしやという気持ちが強まります。

 1番近くで仕事をしていた子に、妊娠の可能性があるとだけ伝えました。もしもの時には、私のバックアップを務めるようにと。


 3日が自分の誕生日だったこともあり、もし陽性だったら最高の誕生日プレゼントだなと思いました。日付が変わったら検査してみようかな、と思い、検査薬を買うことに。

 しかし、その日の仕事が終わったのが22時。ドラッグストアがどこも開いてない!

 22時半閉店とか、23時閉店のはずなのに、コロナのせいなのか本当にどこも開いていなくて、泣く泣く諦めることに。

 みんなはもしやと思ったら早めに検査薬買っておいた方がいいぞ!(きっとみんな買ってる)

 しょんぼり帰ったら旦那がケーキを3種類買ってきてくれていて、チョコバナナケーキを食べました。


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 3日の朝、8時から開店するドラッグストアの開店待ちをし、速攻で検査薬を買って、駅のトイレで検査(笑)

 どんだけ前のめりだよと思われるかもしれませんが、本当にソワソワしすぎてつらかったんです。

 朝4時頃から、1時間おきに目が覚めちゃうんですよ。


 説明書をめちゃくちゃ読んで、初めての検査。

 尿はしっかりかけることができ、見る間に線が浮かんできます。

 薄いな……とか思うこともなく、めちゃくちゃくっきり陽性でした。

 泣きました。

 結果の部分を写真に撮って、旦那に連絡。前日からもしかしたら……と話していた友人たちや、両親、妹にも伝えました。

 多分、世間一般の人たちは安定期に入ってからとか、母子手帳をもらってから言うのかな?

 私は誕生日だったこともあり、舞い上がりまくって連絡してしまいました。


 その日はやっぱり吐き気とげっぷが凄くて、仕事の途中で交代してもらったりもしました。一緒に働く3人ほどに陽性だったことを告げ、何かあったらよろしくと。

 直属の上司にも連絡しました。


 そしてその日から、全方位に怯える日々が始まったのです。


 とりあえず、食べていいもの悪いものを調べました。カフェインとアルコール。

 お酒は飲まないし、コーヒーもそんなに好きではないので、そこは平気でした。

 コーラ飲めなくなるけど、コーヒーの1/6のカフェイン量らしいので、少しは平気だろう。

 あとは生魚を避けて、海藻類も食べる量に気を付けて……昨日まで何も気にせずに食べてたのに、陽性反応が出た瞬間に世界は変わるんだなと思いました。


 そして、6日が仕事が休みなのでそこで婦人科に行こうと思っていて、けれどそこで胎嚢たいのうが確認できなかったら子宮外妊娠となって赤ちゃんにはならない、とか。


 えっ、今こんなに気持ち悪いのに妊娠できてないことあるの???


 衝撃でした。


 去年の10月頃から、10年以上飲んでいた低容量ピルをやめて妊活していましたが、全然妊娠するということへの知識を持っていなかったなって。

 20歳の頃に左の卵巣に卵巣嚢腫のうしゅが見つかり、腹腔鏡ふくくうきょう手術で除去して以来ずっとピルを飲んでいて、妊娠とは無縁の生活だったとはいえ……。


 ちなみに私の卵巣嚢腫の種類は皮様嚢腫で、術後に母が、歯のなりかけや髪のなりかけの塊を見せてもらったそうです(笑)

 人間の身体って本当に不思議。


 話がそれましたが、妊娠検査薬で陽性反応が出て、つわりの症状が出ても、妊娠していない可能性があるんですね。

 めちゃくちゃビビりました。

 婦人科に行ってエコー検査して、何も映らなかったらどうしよう。

 あんなに嬉しかったのに、無かったことになったらどうしよう。


 でも、いるかいないかはまだ分からないわけで、そうなると、いるんだと思って行動するしかないわけで。

 ただ検査薬で陽性反応が出ただけだというのに、私は生きることがハチャメチャに恐くなりました。


 子宮外妊娠の文字を見ないようにしながら葉酸アプリを注文し、野菜を食べるようにし、通院日を待つことになったのでした。

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