第6話 男女問わず

次の日――――




「ねえ、慶亮君、昨日、女連れて街歩いていたの見掛けたんだけど…」



クラスメイトの女子生徒。



「あー、いたけど」

「彼女?」

「彼女に見えた?」

「うん。かなり親しい感じに見えたから」


「じゃあ、彼女かも」

「えっ?」


「他人が、どう見えたかによるじゃん?あーいうのって」


「…そうだけど…ねえ、実際の所どうなの?」

「内緒♪」

「えーー」





ムカつく奴だけど


男女問わず


友達の多い彼



こんな私にも


対等に


声を掛けてくれる



イメージを壊さないように


あなたは


もうひとりの


仮面の私に


接してくれている



自分の本当の姿と


本当の容姿を出す瞬間は


彼と2人きりでいる時だけ



私の本当の姿を知った


クラスメイトは


どんな反応をするのだろう?



どういう態度で


接してくるのだろう?






そして、ある夏の午後――――




「愛霞ーー、水撒いてくれる?」

「えーー、暑いのやだよー!」


「夏休みでしょう?ダラダラしないで手伝いの1つや2つくらいしてくれてもいいでしょう?」


「はいはい。分かりました」




私は渋々と水撒きする事にした。



「♪♪〜」



鼻歌混じりでハシャギ、撒いている、その時――――




「冷てーーっ!」



ビクッ



「も、もしや…」



私は表に出る。


すると、そこにはビショ濡れに濡れた男の子の姿があった。



「あ、あの…すみません…あのタオル持って来ます。待ってて下さい!」

 

「あっ…!ちょ…」




私はタオルを取りに家の中へ――――




そして拭いてあげるんだけど―――




「うわっ!あんただったの?」

「あー、そうだよ!!わりぃかっ!」

「…ごめん…大丈夫?」


「ああ。ちょーーどイイ塩梅の水に濡れて涼しい気分だよ!」


「本当に…ごめん…」



自分で拭き始める日賀。




「テメェの事だ。面倒くせーーとか言いつつ、鼻歌混じりに調子こいて水撒きしてたんだろう!?」


「ち、違…!つーか、謝ってんじゃん!」



私にタオルを顔に投げ付けるように返す。



「うわっ!」



視界が遮られ、タオルを外そうとすると同時に、もう片方の手が引き寄せられキスされた。



ドキッ



「罰」



至近距離で言われた。



かあぁぁぁぁ〜っ!

顔が、赤くなったのが分かった。



タオルが手元から離れ、頭に被せられた。



「お前…本当、ピュアだな?その反応可愛すぎだろ?」


「か、可愛いぃっ!?も、もうっ!早く行けっつーの!!」


「はいはい」




そして、ある日の事、一人街にいる時の事だった。



「ねえ、彼女、可愛い。何処か行かない?」



私に声を掛けてくる男の人。


振り返る私。




「あぁっ!」

「なんだテメェかよ!」

「悪かったな!つーか、部活は?」

「休みなんだよ!」


「そんな中、街でナンパ!?やだ!ありえないんだけど!つーか、あんた違う女、取っ替え引っ替えしてるよね?」


「あー、そうだけど?理由あるし!前に話したの覚えてねーの?」


「えっ?」


「マジ恋愛しないって…」


「あっ!」


「あれ、事実だから」


「…そう…なんだ…」


「じゃあな」




私達は、別れた。




用事さえなければ


出かける事が出来たのかな?



そんな事を考える自分がいた。





ある日の学校帰り――――



「すみません」

「はい、いらっしゃい」


「あの、以前、運命の人が現れるとか言われて、ここで占ってもらったんですけど」


「あら…?…あなたは……。…そうね…既に彼には出逢ってるわよ」



ドキッ



「えっ…?」

「心当たりあるんじゃないかしら?」



「………………」



「あの日、あなたがいらっしゃった時、もう少し続きがあったのよ。その方とは波瀾万丈だって事を、あなたに、お伝えする前に、あなた帰っちゃって」



「えっ!?」



「相手と出逢ってから、あなたは、彼に振り回されるかのように……お互い運命に導かれるように何かしらの偶然が、重なったんじゃないかしら?」



《やっぱり…アイツ…?》



「今、頭に浮かんだ方に間違いないわよ。同じ学校で良く知ってる方。いつも衝突してるし……あなたの事…いつも見守ってるわ」



「……………」



「ここまで言えば、もう、お分かりかしら?……ただ、相手は…異性に関して色々あって…今は…縮まりそうで縮まらない距離感で今を楽しんでいる感じね」




「……私…どうすれば…」


「その前に…大変、申し訳にくいけど…ズバリ言った方が良いかしら?あなたに関する事なんだけど…」


「悪い事ですか?」


「…ええ…」




怖いけど聞く事にした。




「…あなたに災難の層が出ているの…」


「…えっ…?災難…?」


「…ええ…気を付けてと言いたい所だけど…日はそう遠くはなくて…でも…これも運命の巡り合わせなのかしら…まさかの展開が待ち受けているの…」



「………………」



「これを機に相手との距离も180℃変わるとも出ているわ…」



私は、お礼を言って占い師さんの後を去った。



占い師さんは、最後伝えた。



「彼は本気で心から愛したら、とことん尽くすみたいね。彼を手放すとなると…あなたは恋愛をしようって気にならないの。それだけ大きい傷が出来ると出ているわ。だけど…あなたは乗り越えるパワーはあるから、きっと大丈夫!彼と乗り越える事が出来れば更に先々、ずっと幸せに満ちてる!あなたには自分の想いに正直に素直になって欲しい!」



そう告げられた。



その後、私が帰った後、占い師さんは、



「きっと彼は必ず答えてくれるわ!グッドラック!」




伝えたかったけど、あえて言わなかった。



だって彼女の未来は間違いなく


ずっと支え合って


彼と一緒に乗り越えられる事が出来るから――――



――――そう――――



ずっと永遠にね♪



















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