第4話 心の想い
「あの…私とお付き合いして頂けませんか?」
一人の女子生徒の姿。
「悪い。彼女いらねーから」
「…そうですか…」
カッコ良くて、運動神経抜群。
頭も良くて、実はモテモテの、日賀慶亮。
誰もが告白するも、良い返事などもらう事などがない。
どうやら断っているという話だ。
「…そういえば…私の運命の人…イニシャルKとか言ってたし…K…K…つーか…姓も名もKって…まさかアイツじゃないよね?」
そんなある日の事。
「あれ…?アイツ…日賀じゃん!女連れって…あー…だからか…彼女いるなら断るよね?」
私は、そう思っていた。
だけど、見掛ける度に、違う女の人と一緒にいる姿。
「……アイツ…まさか…女好き…?」
そう思った瞬間だった。
ある日の放課後。
「おいっ!起きろ!」
「んー…」
「放課後だぞ!」
バコーーッ
何かで打たれる私。
ビクッ
「ったぁーー!何すんのさ!」
「放課後だ!放課後!」
「………………」
私は眼鏡を掛け荷物を纏める。
「なあ」
「何よ?」
「お前、イケてんのに眼鏡の理由って何?」
「さあね。それじゃ」
グイッ ドンッ
私の手を掴み、壁に押し付ける。
ドキッ
「ちょ、ちょっと…何?」
「………………」
ドキン
私を見つめる日賀。
スッ
眼鏡を外す。
「ちょ…」
「お前…顔はイケてっけど…性格悪いもんなー。その性格直さねーと、一生、恋愛……」
ボフッ
お腹を殴る私。
「うっ…!つー…マジかよ……暴力女…」
「あんたこそ、モテモテの割りには、誰一人とも付き合わないのって、どうかと思うけど?そのうち、イイ男がブサイク男がに変わるよ!その前に性格悪いし、あんたも彼女なんて一生無理ね」
「おーい、慶亮ー、部活…」
スッ
私の前に立ち、私を隠すようにする。
《…えっ…?》
「あ、ああ。すぐ行く。先に行っててくんね?」
「ああ。分かった」
去って行く男子生徒。
「俺、独占欲強くってさ。他人に取られるのも見られんの嫌なんだよね?その眼鏡の下のお前は俺以外、知ってほしくねーって事、頭に入れておけっ!じゃあな!」
そう言うと、キスをされ部活に行った。
「な、何なのよ!アイツ…彼女でも何でもないのに彼氏面されんのムカつく!…だけど…あんな奴に私の胸がおかしくなってる……」
―――7月―――
「♪笹の葉さ〜らさら〜……」
私は七夕に向けて願い事など書いたりして七夕気分を味わう。
「何しようかな?願い事は、やっぱ“彼氏が出来ますようにー”とか…?後、“運命の人に早く会えますようにー”とか…?そんな所かな?…でも…正直…アイツの事…気になり始めてんだよね……私。認めたくないけど…認めざるをえなくて…」
そして
7月7日。七夕の夜。
「うわっ…珍しーーっ!今どき、七夕って…16、17の高校生がしねーだろ?」
ビクッ
「なっ!誰!?」
「………………」
ドキッ
「……日賀!?」
「ここ、お前ん家だったんだ」
「いかにも、そうです!」
「なあっ!七夕なんて辞めろ、辞めろ!テメェの願い事、日頃の行いが悪いんだし、一生叶わねーって」
「あんたに言われたくないし!早く帰れっ!」
「はいはい」
日賀は帰って行く。
ある日の休日。
「美佐(みさ)ーー、私の学校に転入してきてーー」
「あのねーー」
私の親友・瑳山 美佐(さやま みさ)。
「もう、最悪なの!ムカつく野郎はいるし女友達も出来なくて…まあ、自分の本性とか容姿隠してるのもあるんだけど…」
「ねえ、そういえば、こっちに通ってる時は眼鏡掛けてなかったよね?」
「あ、うん…。入学式とか、そっちの地元の同級生が、多かったし…美佐もいたわけだし…今は一切、知り合いいないから…」
「…そうか…まあ、愛霞は美人だからね。男知ってるみたいな雰囲気あるからね。第一印象大事だもんね」
私達は色々話をしていた。
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