・幕間 古巣からの連絡

ある日の夜のことだった。

マンガを読んでいると、画面が切り替わり通話の文字が。


「もしもし」


「どうしたカチューシャ」


「ジンギスカンはマトンよりラムのほうが美味しかったわ」


「は?」


 切れてる……。


「もしもし」


「どうしたのミーくん」


「通話はツイッターちゃうねんぞ」


「大阪弁だわ……」


「ちゃうでおまんがな」


「すごい、これが本物なのね」


「偽物だよ。お前殺されても知らないからな」


「大阪怖い」


「毎日怯えて生きてるよ」


「今何してた?」


「『もう一度、恋した』読んでた」


「ワタシも続き読みたい」


「自分で買えばいいだろ」


「勿体無い。早く帰ってきて読ませて」


「寂しいのか?」


「アニメでリストラされて暇でしょ?」


「ピカチュウちゃうわ。再就職したし」


「ふん、ミーくんなんてどうでもいいけどきぬゑさんがどうしてるどうしてるってうるさいのよ」


「毎日最高にハッピーだって言っておいて」


「嘘つき」


「本当だよ本当。文化祭の準備で毎日楽しく女子に囲まれてウハウハよ」


「は?本気で言ってる?」


「もう両手どころか抱えきれないくらいの花が選り取り見取りよ」


「そんなことしてるから炎上するのよカス」


「……嘘だって。男四人組で段ボールと格闘の日々です」


「ふん、帰って来ないで彼女なんて作ってたら、インスタにみーくんの写真と一緒に持ってたエロマンガ一日一冊アップしてやるわ」


「おいやめろいっそひとおもいに殺せ」


「別にどうでもいいけど。私以外のみんなは待ってるわよ。言うなって言われてるけど」


「じゃあ言うなよ」


「みーくんこういうの言われるの困るでしょ?」


「なおさら言うなよ」


「嫌がらせよ」


「最悪だよお前」


「で、いつ帰ってくるのニート」


「ニートじゃなくて学生だ帰らねーよバーカ」


「捕獲しに行くから」


切られた。

ラインもブロックされた……。

団のインスタは怖くて一度も見れてません。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る