Sealed King~戦闘好きの冒険譚~
KoP
第1話 主要人物紹介
この日ほぼ同じ時間に4人の子供がこの世界に産み落とされた。
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一人目は、シーヴェスト王国男爵家に生まれた男の子、レイリー・ラビ・アンク。父親譲りのきれいな金髪に母親譲りの紫紺の瞳を持つ少し内気そうな男の子。
アンク家の家族は全部で10人。父親、母親、継母、継母、長男、長女、次男、次女、三男、三女という構成。レイリーはその三男にあたる。
父親は、もともと平民であったが冒険者として多大な功績を収めたため男爵家となった冒険者界の鬼才と呼ばれた男。それゆえ彼は武力を最も重視する。彼は彼の子供全員に自分と同じレベルの強さを求め、英才教育といって差し支えないほどの武術訓練を幼いころから施す。そのため、同年代には並ぶものがいなくなり、周囲からは戦闘最強一家と呼ばれるようになっていた。
継母を除き全員戦闘ができる戦闘一家。この中で揉まれることになるレイリーは、基礎学校に入学する6歳になるまでに、今までの兄弟同様、同年代最強クラスの力を得ることになる。
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二人目は、シーヴェスト王国の東に隣接するセントレスト帝国で生まれた女の子、ステラ・ミミク。濡れ羽色のきれいな黒髪と深海を想起させる深い藍色の瞳を携えた、イケメンと美女の間に意図的に産み落とされた女の子。
ミミク家の家族は全部で12人。父親、母親、継母、継母、継母、長女、次女、長男、三女、四女、次男、そして五女であるステラ。
父親は類を見ないほどのイケメンで、かつ国からその能力を非常に高く評価されて仕事を任されるほどの秀才。彼の成した偉業は国民のほとんどが知らないが、ある程度高い地位に就くものであれば誰もが知るほどのもの。そして、その類まれなる美貌と能力を国が欲し、国から美女を何人か押し付けられ、半ば命令として強制的に子供を産ませられた。
そのような中産まれた一人がステラ。彼女は父親からの愛情も母親からの愛情もなく、ただ将来国に仕えるために毎日教育されることとなる。
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三人目は、シーヴェスト王国の南に位置するトレイドウス共和国で生まれた男の子、ワイアット。燃え盛るような赤髪に緋色の瞳を持つ溌溂とした男の子。
彼の家族は3人。父親、母親、そして長男であるワイアット。
父親はとあるやんごとなきお方の使用人で、母親は冒険者ランクAランクの強者。父親の主人が創設した組織に二人とも所属しており、彼らの子供もその組織の力になれるように彼らは訓練を課していく。
基礎学校に入学する年ごろになるまでに、使用人としての所作は完璧になり、戦闘能力も同級生には追随を許さないほどの強さを誇ることとなる。
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四人目は、シーヴェスト王国の北に位置するノースキニー国で生まれた男の子、グウェイン。同じ種の赤ちゃんよりもさらに小さい体で産まれてきた、肌は真っ白、髪は銀色、瞳は白寄りのグレーという全体的に色素の薄い男の子。彼は上記三人とは種族が異なりゴブリン種である。
彼の家族構成は4人。父親、母親、長女、そして長男であるグウェイン。
父親も母親も一般的な村人で至って平凡な家庭であったが、グウェインだけは種族以外の何もかもが普通とは違った。
まず肌の色が違う。彼らゴブリン種の肌色は緑色が一般的である。多少色の違いはあれど、緑色であることに変わりはなかったにもかかわらず真っ白というありえない色を持っていた。
それから彼はあまりにも小さかった。ゴブリン種は人種に比べて平均的に30㎝ほど小さいため、赤ちゃんもそれに比例して小さかったが、それ以上に彼は小さかった。それゆえ、先天的に異常を持っているのではないかと考えられたが、肌の色以外変わったところはなかった。
だが、周囲の人々は気づかなかっただけで、特殊なのは肌の色だけではなかった。彼の特異性は産後徐々にあらわになってきて、7歳になるころには村の全員がその特殊、いや異常性に気づくことになる。
***
この4人が世界とかかわりを持ち始めるとき、この世界は急激に動き始めることになる。
良い方向にも悪い方向にも。
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