第ニ章 ― 7 ―
《カップ麺の作り方》
一、 カップを外装している透明フィルムを剥がす
二、 カップの上蓋を半分まで開ける
三、 麺以外の内容物。かやく・粉末スープ・液体スープを取り出す
四、 かやくのビニール袋を破いて、中身を麺の上に乗せる
五、 沸かした、お湯をカップの内側ある線まで入れる
六、 5分待つ 液体スープは、蓋の上で温める
七、 粉末スープの袋を破いて中身を麺の上に入れる
八、 液体スープの袋を破いて中身を麺の上に入れる
九、 お箸で、よくかき混ぜる
(カップ麺を作る)
時々作るカップ麺。色々な味やカップの大きさがあるから、いつも作り方を見てからでないと作れない。
『今は、以前の経験を思い出して作るしかない』
目が見えていれば、何気ない作業も、一つ一つの作業にカップ麺作りは、手間取った。
結果。麺は伸び、味もぼけたようになっていた。
おなかに入れば一緒。お水をガブ飲みしたときと同じで、おなかが膨らめば落ち着くものだとあらためて感じた。
今は、何時なのだろうかと、テレビをつけた。
「午後11時53分50秒をお知らせします」
二時間も掛けて一食を食べたことになるのだろうか。長い一日だと感じた。
そして、今日だけで何十回目になるだろう
『ため息をついた』
(メダカのごはん)
目が見えなくなったのが、今朝起きた時からだったのを思い出した。
そして、本当に長い一日だと感じながら、テレビから流れてくる時報に助けられた。とも思っていた。
『メダカのことを思い出した』
昨日、仕事から帰ってきた時に、メダカに、ごはんを与えて以来、もう二十四時間が経っていた。
二匹のメダカは、水槽に近寄ると、水面にまで上がってきて、口をパクパクしながら、ごはんを待っている。
その光景は、かわいくてしかたがない。ただ、その一匹は、この頃、水槽の下側でとどまっていることが多くなった。以前調べてみたら、寿命かもしれないということだった。
二匹は、よく社交ダンスを踊るようにクルクル回りながら泳いでいる。
『仲良くしているのだろうか』
と、思いながら、ごはんを、水面に落とした。
そして、思ったのは。
この、メダカ水槽の水を替えてあげることは、一生、できないのだろうと。
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