朝
どれ程の時間が経ったのだろうか。
ひたすら走って、草木を掻き分けたが。
一向に、出口には出られない。
「どうなってんだよ、、」
身体は震え、隼斗と美由希の無事をただ祈る。
ガサガサガサガサ、、
自分の音か、そうじゃないのか。
そんな事は気にしてられなかった。
ただ、全力で走った。
ガサガサガサガサ。
「あぁ。。」
辺りはいつの間にか明るくなり、
遠くの白いガードレールが視界に入る。
ガードレールに安心感を覚え、
ポケットの携帯に手を伸ばす。
「警察に、、電話、しないと。。」
俺がこんな所に来なければ。。
「大丈夫、、大丈夫。。」
震える手でディスプレイの番号を押す。
3つの番号と通話ボタンを押すだけなのに。
なかなか思うようにいかない。
プルルルル、プルルルル
110「事件ですか?事故ですか??」
人の声を聞いて、何だか安心したのか。
走り続けた喉では、思うように声を出す事が出来ない。
110「もしもし??大丈夫ですか??」
「、、。」
唾をつくって言葉を出そうとした時。
ガサガサガサガサ!!
草木を掻き分けて勢い良く、
異臭が向かってくるのが分かった。
「ひつ、、。」
携帯を落とし、俺はまた走った。
が、、
俺の身体は浮いていた。
「嘘だ、、」
振り返りながら落ちる視線の先には、
口から唾液を出すナニカが居た。
そいつは俺を上から見下ろしていた。
あぁあ、、。
きっとバチが当たったんだ。
ガサガサガサ。
バキバキバキ、、ッ
俺は痛みと共に。
意識が遠くなっていくのが分かった。
血の臭いがする、、
「美由希、、隼斗、、」
>>記憶
>>捜索
>>ずっと。
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