視界がクリアになる

 目まぐるしく一週間が過ぎていく。

 一週間。早いものだ。目の前のことに向かっていたら、消えていく。

 そこに何かしらの感慨を見出す方が、難しいのかもしれない。

 だけど、麻痺するのは何か違うような気がしてならない。

 たしかに思ったことはあったはずなのだけど、知らぬ間に零れ落ちていく。記憶してはいても、あの質感はどこかへ消えているのだ。


 やりたいことをやる、と決めた。決めただけなのだけれど、目標とそれまでにやるべきことを明確にすると、視界がクリアになる。

 僕は何かに熱中しているくらいがちょうどよくて、ゆったりするのはあまり向いていない。そのくせに体力が足りないのが、悲しいところなのだけれど。

 こういうときに思うのは、僕はやはり一人でよかったなということだ。一人じゃなかったら動きが制限される。今のように自分の意思だけでは動けないかもしれない。

 肩が軽いのは、本当にいいことだ。子どもが大きくなるまでは、とか、パートナーがいるから、とか、そういう言葉で何かを諦めることになる人を見ていると、より強くそう感じる。

 勿論、その人達にも言い分はあって、自分のことだけよりもパートナーや子どものことを考えて身動きが取りにくくなる現状も、その人達からすれば、選び取った幸せであり、不幸であるのかもしれない。社会がそれを強いている部分はかなりあるけれど、その人の選択じゃないとまでは言い切れない。

 本当は子どもやパートナーといった存在が何かをしたいと思うときの枷になるような状況こそが、おかしいのだけど。

 それでも、僕は枷なんて少ない方がいいと思うし、他人といることに幸せを感じられない。

 他人とはある程度の距離がないと、くたびれて爆発してしまうくらいの人嫌いだから。


 それはともかく、やるのだと決めた。締切を決めて、退路も断った。あとはもう、着実に積み上げていくだけだ。

 誰にも、何にも、邪魔はさせない。

 やりたいことをやるために、自分であり続けるために最適化を続けていこうじゃないか。

 僕は自分がそうできると、知っているのだから。


 嬉しい報告をできる日まで、お楽しみに。

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