方針変更と第二回
今日も俺はゲーム説明欄を眺めていたんだが、想像以上に簡素なものが多かった。下手すると数行のものしかないものも多くて、当初のプランがあっという間に破綻した現実に脳が爆発して壁にへばりつくところだった。
「もういっそやめてしまって、7days to dieの廃墟漁りの続きでもしようか。MODで導入した銃がまだ全然探せてないんだよな」
そうして逃げようとしたところで、俺は思い出した。
『The elder scrolls Ⅳ Oblivion』というゲームの中に出てくるドレスとかいうおっさんだ。
暗殺ギルドの主人公はドレスを殺す依頼を受けるのだが、刑務所に入っているがゆえに暗殺者から逃れている。刑務所に潜入した主人公は、このおっさんを殺す。どんなに逃げようと結局は過去が自分を追いかけてくるのだ。
つまり、このまま逃げてしまうと俺も責任を取らないことになるんじゃないか。誰に対してって自分の過去だから別にいい気もするけど、良い気にはなれない。
そんなわけで真面目に文章を探し始めた俺は、あれがあるじゃないかと気がついた。
『The elder scrolls Ⅳ Oblivion』と『The elder scrolls Ⅴ Skyrim』の中に登場する、本の文章だ。このゲーム、素晴らしいことにゲーム内で本が読めるのだ。文章量はそんなに多くなく、小説、論文、詩、など様々な物が入っている。ゲーム内の世界観を補強する素晴らしい物が多いのだ。
しかし残念ながら洋ゲー特有の問題で、結構読みにくい文章がある。だがだからこそ、こういった要約問題に向いている気がするのだ。
今回要約する文についての説明をするぜ。
この文章はオブリビオンのDLCシヴァリング・アイルズの書物『異端の発想』からだ。といってもわからないだろうから、軽い補足を入れよう。
シヴァリング・アイルズはゲーム本編とは別世界の追放された狂人が住む世界だ。イカれチーズ狂王シェオゴラスが統治する国で、狂気こそ正気、狂いこそ救いという世界観だ。
これに対して『異端の発想』の著者は、もっとナチュラルな狂気に染まったほうがハイになれるという立場で、シェオゴラスの狂気を否定しています。
実際に見てきたから言わせてもらうと、どっちもどっちのキメヤバ人なのには違いなく、むしろこの著者こそが狂気を規定しようという狂気に陥っているというわけですね。
では要約文です。
『異端の発想』
もう耐えられない。狂信はシヴァリング・アイルズからなくなるべきだ。彼らは信念がないという理由で我らを異端者と呼ぶが、我らはその名を受け入れる。そして名誉あるものを作るだろう。
真実を述べるのは異端ではない。不当な支配者を非難し、信条を守るために武力を使うのも異端ではない。我々は異端者だが、異説ではなく真実を述べているだけだ。
君主のシェオゴラスは神でもデイドラの王子でもなく、血と肉を持った人間だ。デイドラの王国には王子はおらず、従者がいるだけだからだ。
シェオゴラスはアーデン=スルの教えを歪め、心臓の血を与えられただけだ。卑劣な魔法を使ってデイドラと同調することで狂った。聖職者でもなく、支配者にもふさわしくない。
この真実が周知になれば、ニュー・シェオスから追いやって殺してやる。
我々は人々に異端者のローブを着せ、お互いが無信奉者だと通じあえるようにする。人々は荒野に戻り自然と生きるだろう。彼らは我々の清らかさと知恵を理解し、我々を救世主として歓迎するだろう。
ここから下は本文になります。
『異端の発想』
狂信はシヴァリング・アイルズから一掃されるべき忌まわしきもである。たとえもう1つの魂にであろうと奴らの教義が広まるのに耐えられなぬ。奴らは信念に欠けているという理由で我々を異端者と呼ぶのだ。だが我々はその名を快く受け入れよう、そして名誉に値するものを作り上げるのだ。
真実を述べるのは異端にあらず。不当な支配者を非難することは異端にあらず。真の信条を守るため武力を持ち行動することは異端にあらず。我々はシヴァリング・アイルズではいわゆる異端者だが、異説など述べてはおらぬ。真実を述べているのである。
我らが君主、シェオゴラスは、単なる人間にすぎぬ。奴は唯一、肉と血を持っているが、神などではなく、もちろんデイドラの王子たちでもない。デイドラの王国には王子などおらず、唯一我々の命令で召喚するハンガーのような卑しき従者がいるだけだ。
あの偽のシェオゴラスは狂った暴君なのである。何年にもわたって卑劣な魔法に手を染め、デイドラと同調することで狂っていった。奴はもちろん聖職者でもなく、支配者にもふさわしくなし。アーデン=スルの教えを歪め、アーデン=スルの心臓の血を与えられた者なのだ。
我々の主張である真実が人々の間で周知の事実となれば、ニュー・シェオスから奴を追いやり、剣で汚水溜めへと放り込んでくれる。奴の四肢を四方八方へと散乱させるのだ。頭部は自殺の丘へ捨て置き、心臓は自由の炎で焼きつくす。内臓は犬のエサとして与えくれてやる。
我々はシヴァリング・アイルズの全ての人々に異端者のローブを着せるつもりだ。これらのローブにより、我々はお互いが真の無信奉者であると通じ合えるのだ。人々は我々のように未開の荒野へと戻り、自然のままに生きるがよい。奴らは我々の導く人生における清らかさと知恵がいまにわかるだろう。そして救世主として歓迎するのだ。
https://w.atwiki.jp/oblivionlibrary/pages/129.html
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