異世界生活始めました!

第27話:カルチャーなショックだよ!




 お買い物だよ!異世界。

 ぶ○り途中下車の旅。ただし馬車。

 あれは買い物メインじゃないか。

 とにかく、皆でお買い物だよ!!


 メイド二人は、メイド服。

 この方が『バックには有力者が居るんだぜ』ってなり、色々良いらしい。

 逆に料理人二人は私服。

 そうしないと、食材の売り込みが鬱陶しいとか。



「じゃあお金渡すから、それぞれが必要だと思う物買って来てね~」

 一人に小金貨10万1枚渡したら、アザトースに怒られた。

「お・ま・え・は・バ・カ・か!」

 おデコを杖でコンコンされた。

 地味に痛いよ!


「何を買わせるつもりな・ん・だ・よ!」

 えぇー!?

 一人暮らし始める時なんて、正直10万じゃ足りないぞ!

「家具に服に食器、細々こまごました生活雑貨って意外と金かかるんたぞ」

 これでも調理器具や電化製品が無いから抑えたんだからな!

 疲れを取るトゥルース○ーパーなんて買った日には、全然足りないぞ!


「食器?」

 え?なぜ皆してキョトン顔?

〈通常、食器は職場にある共同の物を使います〉

 え?そりゃそうだけど、普段使いのコップとか箸とかいるだろ?

〈箸の文化は無いけどな!〉

 わかったよ!じゃあスプーンとフォークな!


「自分用のコップ?」

 アザトースとボールスまでキョトン顔!

 あれですか!感覚的には、毎日レストランですか!

 カトラリーは執事が磨いて、水は水差しにコップをメイドが用意して、自分で片付けなんてしないのか!

〈そうですが、何か〉

 ……貴族制度は無いけど、貴族生活なのね。



 一般市民も、家の食器という感覚で、個人での食器は無いんだってさ。

 カルチャーショックだよ。

 でもさ、自分用って何となく嬉しいじゃん?

 家主は俺!

 俺ルールに従ってもらいます!


 あ、ちゃんと壊れた時用に、複数個買って来るんだよ~!


 余談ですが、家具は造り付けの物で充分だそうです。

 使用人用でも、結構良い物が使われているらしい。

 フカフカのお布団買おう~と思っていた俺。

 え?贅沢なの?

 掛け布団は羽布団にしたいよ!




 3チームに分かれてお買い物。

 従魔術師家族、マリンと料理人チーム、俺とアザトースとボールス。

 ガッツリ監視されているのは、気のせいじゃないな。


 それにしても!

 色々な人種が居るね!

 今まで普通の人型にしか会わなかったけど、獣人が居るよ!

 ケモミミに尻尾!かと思えば、二足歩行の動物モフモフな獣人も居るし!!

 リザードマンも居る!強そう!


 鬼人は?やっぱり鬼人も居るのかな?

 凄い強いスライムとか!

 魔王が居たなら、スライムも居そうだよね?転生した……ゲフンゲフン。




「何だよ!高い金払ってんだから、しっかり働けよ!」

 バシン!と鞭の音がして、ビクリと体が震えた。

 地面を叩いた音じゃなく、もっと柔らかいものを叩いた音。

 キョロキョロと周りを見回すと、ちょっと離れた所に荷馬車とその持ち主らしき男と、首に鎖の付いた獣人がいた。


 この距離なのに、あんなに大きな音が聞こえたって事かよ!


「獣人は力が強いって言うから買ってやったのに!金の分は働いてから死ねよ!」

 鞭でバシバシ叩いているが、どう見ても栄養失調な子供の獣人が動けるわけないだろうが!!

 この国は奴隷もちゃんと保護されてんじゃなかったのかよ!



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