第23話:この世界の奴隷とか




「奴隷を買いに行く?」

 アザトースに朝食の席で宣言されたので、つい問い返してしまった。

 勝手に行けよってのが正直な気持ちだ。

「何、他人事な顔してんだよ。ヨッシーも行くんだよ」

 ホワイ?なぜ?


「お前、家主だろうが。ヨッシーと相性の悪い奴隷を買っちゃったとしても、返品出来ないんだぞ?」

 相性とかある?別に俺は関わらないから、お好きにどうぞ!としか言えない。

「シロとラッキーを怖がらなければ、別に何でも良いけど?後は、俺に関わらなければ」

 あれ?アザトースだけじゃなく、ボールスまで間抜けな埴輪面はにわづらになった。


「洗濯は?」

浄化クリーンで良いし」

「掃除は必要だろう?」

「荷物も少ないし、別に自分でするけど」

 はぁ!?って驚いてるその事実に、逆に驚くよ。

 結婚もしてない男は、自分で掃除するだろ?

 ハウスキーパーを頼むのは、金持ちだけで一般人は頼まないよ。


 特に俺は実家に家政婦や料理人が居たから、一人暮らしになって自分で色々出来るのが嬉しかったんだ。

 炒飯だって、実家に居た頃は、唯一んだからな!




 まぁ、俺の説得も虚しく、奴隷商に連れて来られたんだけどな。

 今は豪華な応接室で、お茶とお菓子をご馳走になっている。

 ここの奴隷商は国が認めた正規の奴隷取扱店なので、奴隷の扱いがちゃんとしているそうだ。


 貧困や借金を理由に売られた子供には、ちゃんと教育を施しているし、借金が理由の大人はその理由によって、仕事先が斡旋されるらしい。

 ギャンブルなど自業自得の場合は、とにかく稼げる鉱山や遠洋漁業。

 仕事などでむを得ない場合には、能力を活かせる仕事。


 犯罪奴隷は表に出る事はなく、強制的に危険な鉱山なのだとか。

 言葉を濁していたが、危険な治験やモンスターの世話係などにも回されるのは、死んでも良い前提なんだろうなぁ。

 異世界怖っ。



 来店前に三人で詰めたメイドの条件。

 俺の希望は、シロとラッキーに驚かない事。

 最初はともかく、出会う度に気絶でもされた日には、二匹がショックを受けて落ち込むからな。


 ボールスの希望は、洗濯が上手い事。

 騎士服の中に着る服の肌触りが悪いと、かぶれたりするそうだ。

 下手な人だと、石鹸が残ってたりするのかもな。

 騎士服は、隊で纏めて洗濯というか浄化依頼をするそうだ。

 下手に洗濯して縮んだら、作り直す方が高いんだってさ!


「俺の希望は、20代前半で美人で床上手で、おっぱいが大きい人だな」

 それはメイドじゃなくて、恋人の条件じゃないか?アザトース。

「恋人はギブアンドテイクだろ?面倒」

 最低だな、お前。

 それならメイドじゃなくて、娼婦を買えよ!馬鹿者!



 アザトース対策で、肝っ玉母さんタイプしか許可しない事にしましたよ。

 それから料理人二人の世話もしてもらう事になるだろうから、二人居た方が良いだろうとも。

 肝っ玉母さんでも、男性の中に女性一人では心細いだろうからな。



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