呪 最終話

「ただいま~レイ?」

 オレは仁科真琴。このアンティークshopのオーナーの片桐玲児と二人暮し。中学から帰ると手伝いで店番とかしてる。

「なんだ、店開けたままで何処へ行ってんだよ。また裏の仕事が入ったのか?」

 ブツブツ独り言を言いながら、店の掃除を始めた時、デカイ鏡の前に何か落ちているのを見付けた。

「ダメだなー。誰も居ないからこうなんだ。レイも出掛ける時ぐらい鍵を掛けなきゃ」


 幾ら自分が泥棒だからってさ。心の中で言ってクスリと笑い、日記帳を取り上げて棚に置いた。


「真琴、帰ってるの?」

 レイが帰って来た。オレはコーヒーを入れに奥に向かいながら声を掛ける。

「レイ、誰も居ない時は鍵を掛けなって言ってんじゃん」

 レイはただ、にっこりと微笑み「分かったよ」と言うだけだ。


「あれ、何でコレが?」

 レイが日記帳を持ち不思議そうな顔をしてる。

「コレは、女の子に売った筈なんだけど」

 首を傾げレイは「まっ、いっか~」と言って椅子に座りページを捲る。

「何だ、なにも書いて無いじゃない」

 つまらなそうに言うと、日記帳を売り場に戻す。





『助けて!  何で気が付かないの? 私はここに居るのに。誰か! たすけテ……』




 どうやら私は日記帳の中に閉じ込められたらしい。

 私と入れ違いに前の持ち主が出ていった。

 次に日記帳を手に入れた人と、私は交換する事になる。

 果たして……。それが、いつになるか、誰にも分からない……






ヒンヒネヒンヒザヒヨヒイヒナヒレヒエヒカヒダヒマ………………


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