呪④

 ――深夜二時四十二分――

 母に起こされた。お祖父ちゃんが病院に運ばれて、危篤だと聞かされ私は急いで支度をする。

 祖父母は家から車で十分の所に住んでいる。私に甘いお祖父ちゃんは、小さい頃よく遊びに連れて行ってくれた。

 今にも泣きそうな私にお母さんは言う。

「さや、泣かないで。お祖父ちゃんは大丈夫よ」

 そう言って抱きしめる。少し気持ちが落ち着いて病院へ向かった。





 結局、お祖父ちゃんは一命を取りとめ、明け方に私はひとり家に帰ると緊張の糸が切れて、そのまま寝てしまった。

 目が覚めた時、外は薄暗くなっていて時計を見たら五時になっていた。嫌な夢を見ていた様な気がする……。ベットから、起き上がり寝惚けた頭を振ってふと、机に置いたままの日記帳に目がいった。


『せっかく買ったのに全然書いてないや……』

 日記帳を手に取るとページを捲り……その手が止まる……。

「なに? 私こんな事書いてない!」

 信じられない事に明日の出来事まで書かれてある。背筋が凍り付いた。




✗✗✗

四月二十八日(曇り)


この日記帳は呪われてる。私が書いてもいないのに何故か書かれている……

怖い……誰か! 助け……



……タテ……レケ……サ……ス……………………ロ


タ…………コ―――――――



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