第12話 デュオで勝利
『撃たれた!』
「方向は?」
『330方面。回復入れるわ』
「了解」
莉央は伏せて回復を入れる。
一方で俺は、莉央は撃たれた方向を見ていた。
「居た。岩裏だ」
330方向の岩裏で、敵が動いたのが見えた。
「あれ、抜けるかな」
アサルトライフルから、狙撃銃に切り替える。
そして、タイミングを見計らって、スコープを覗いて弾丸を撃ち放った。
「抜いた!」
『ナイスー!』
「よし、詰めよう」
マンションの屋上から飛び降りると、一気に敵の元へと詰める。
アサルト、で確キルを取る。
「これで、ここは最後かな」
『そうだね。今回はそんなにパーティ多くなかったし』
相手の物資を見るに、これで最後らしい雰囲気だ。
「じゃあ、移動しますか」
『うん、そうだね』
安全エリアの縮小がそろそろ始まっている。
移動を始めた方が良さそうだ。
「エリア向かう感じで行くか」
『オッケー』
俺たちは安全エリアに向かって走り始める。
後ろの敵をクリアリングして、安全エリアに入る。
「結構敵、減ってるな」
『ですねー。今回、早いですね』
岩と木の裏に隠れて、様子を見る。
左上に表示されている敵の数は残り六人となっていた。
これは、自分たちもカウントされている為、敵の数はあと四人という訳だ。
「お、撃たれてるな」
俺たちが隠れている場所に向かって、銃弾が飛んできた。
『西です!』
「あー、あれか。二人いるけどやれるかな」
距離的には十分にやれる距離ではある。
中距離だが、俺はアサルトからスナイパーに切り替える。
『やりました!』
「ナイス、こっちもやったぞ」
莉央がアサルトで、敵一人をキルした直後、俺がスナイパーで敵の頭を撃ち抜いていた。
『いや、今のスナイパーはさすがですよ』
「リオも中距離のエイムは凄いよ。多分、俺がアサルトでやったらもっと時間かかってただろうし」
見事にコメントが流れて行く。
『二人とも上手すぎ!』
『今の狙撃はTakamoriさんじゃないと』
『やっぱ、大会優勝者たちは違うわー』
どれも好意的なコメントである。
こうして、コメントを見ていると、視聴者も一緒に楽しんでくれているのが伝わってくる。
「これ、勝ちたいね」
『絶対勝とう!』
敵を二人倒したことによって、残りはあと一人と表示されている。
きっと、もう一人倒されたのだろう。
「あと一人どこだ……」
安全エリアは確実に縮まっている。
この状況なら、姿を見せるのも時間の問題だろう。
こっちは二人で、相手は一人。
圧倒的に有利な状況である。
しかし、どんな状況でも油断してはいけないのがこのゲームだ。
「見つけた! 210方面」
『了解』
俺は敵を見つけた方角を伝える。
そして、俺はスナイパーを、莉央はアサルトを構える。
莉央の発射された銃声が聞こえたのとほぼ同時に、画面に《Champion》と表示される。
「ナイスー!」
『やったー! お疲れ様です』
無事、デュオで優勝することができた。
やがて、これが伝説の始まりと言われる試合になるのであった。
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