第8話 看護師の子育て

正社員の看護師でフルで子育てしながら働こうと思うと大変だ。急変で、急遽帰れないなんてこともある。子どもがいる場合、お迎えを誰かに依頼するための電話をかけられないうちに保育園から電話、なんてこともあり得るのだ。


昔出産後に就職を考えていた時に、どこどこの病院は託児所があって、病児保育もあるから子どもに何かあっても預けられるなんて話をしてた。その方が働きやすいかなーとも、思ったのだが。

当時の保健センターでの上司に、「それって、子どもが調子悪くても出勤しなさいってことでしょ。調子悪いときは家で休んだ方がいいに決まってる。」と言われた。

ホントにそうだと思った。病児保育があるのがうりになるなんて、社会は子育て世代にまだまだ優しくない。


幸いにも、外来では上司が子どもに優しいタイプの人で、子どもの体調不良の時は、お母さんがそばにいてあげなと言ってくれ、休みを取らせて貰えた。今の部署も家族のことで休みも取りやすい。ありがたいことだ。


もう少し病棟もゆとりがあるといいが、どこもギリギリで回していると思う。入退院の入れ替わりも激しいし。診療報酬がどんどん安くなるし、入院日数が長くなると診療報酬が安くなる仕組みだ。だからベッドの回転数を上げないといけない現状なのでどこも忙しすぎるのだ。よく、すぐ退院させられた、転院させられた、なんて不満を話を聞くが、 そういった病院の経営事情もあるのだ。それでも赤字の病院が多いと思う。看護師の給与は物価が上がっても、診療報酬が変わらんし、上がるわけがない。そのうち高給取りとは誰も言わなくなるかもしれない。

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