03:焼き芋

「これ、何です?」

「芋だ!」

「……本当に芋か、これ」

「何か紫色してるけど」

「こっちのやつは青いぞ」

「大丈夫! オズが鼻血出して鑑定したから! これは芋!」

「だからオズがいないんだね……」

「オレが言うのもなんですけど、『虚空書庫』の無駄遣いやめません?」

「後でオズを見舞ってやらんとな……」

「というわけで。今からこいつを焼いて食うぞ!」

「ボクはパス」

「オレもパス」

「私もやめておこう」

「何でだよ! オズが芋だって保証してくれてんだぜ! 俺様はともかくオズの言うことなら間違いねーだろ!」

「いいか、ゲイル」

「お、おう」

「オズは確かに『芋だ』と言っただろう。だが、『食べられる』と一言でも言ったか?」

「……あっ」

「オズ、大概言葉足らないからね……」

「ゲイル相手にはまず食べられるかどうかを先に言うべきですよね」

 

(第二世代霧航士の談話)

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