《一日目》

人の声が聞こえてきて、目を覚ます。


「どこ?...」


自分の葬式会場だ。


たくさんの人が来ている。


「お父さん呼んできてくれる?」


聞き慣れた声がする。お母さんだ。


「え〜マジでダルいんですけど〜」


妹の灯花が言う。


ー誰も私が死んだことを悲しまないんだ...


悲しくなり、葬儀場を後にしようとしたとき...


「ねぇ。」


誰かに声をかけられた。


「誰?…」


それが、不思議な少年『蒼』との出会いだった。



「僕は、この世界の管理人、蒼だ。ここは、死んだあとに後悔した人が来る場所。」


「後悔なんかしてないっ!」


「そうか... まあいいや。君がその意味がわかった時に、また会おう。」


「どうすりゃいいのよ!」


叫んだがそこには、蒼はもう居なかった。


「どうすればいいの...」


そう呟いて石を蹴る。


石は高く飛んでいった。


「アイツら、退学かな〜」


佳菜子、箏音、小夏。絶対に許さない。


そう思い、学校までの道のりを急いだ。



ーキーンコーンカーンコーン...


授業が終わり、チャイムが鳴る。


私は教室にいた佳菜子たちを追った。


「...え〜?!まじマジぃ?!遺書見つかってないのぉ?!」


帰る人が多いのか辺りはうるさかった。


「良かった!ウチラ、ちょーラッキーじゃん!」


ーえ?なんで?


「あんな事で死ぬなんてね〜」


「マジ笑っちゃうよ〜」


ーなんであんな事言われなきゃいけないの?


私は急いで遺書を探しに行った。



「あ、あった...」


遺書は家の近くの河原に落ちていた。


家に置いとこうと思って、拾おうとしたら...


スカッ...


「あれ?掴めない…」


幽霊になると物が掴めないようだ。


「はぁ…疲れたな…」


もう遺書を取るのは諦めよう。


「そうだ、蒼の言ってた後悔について考えよう…」


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