第46話 後始末
俺が気を失っている間、優奈と美香が守ってくれて
いた。
美香達に状況を聞くとルーン王国の兵の大半はイブによって壊滅しているらしい。
統率する者がいなくなった事もあるが、イブのバトルモードがやばい事になっている。
宝物庫にあった『かわいいピアス』という謎アイテムをイブが装備していたのだが、これがあの魔王と似たバトルスーツなようなものに変化していた。
おいおい、イブさんやばいんですけど。
黒田はこの機を逃さず、数千の兵とクラスメイト達で門から出てきている。
魔法使いはまだ生きているみたいで美香達が口と体を縄で縛りあげている。
さて、イブがルーン王国の兵に気を取られている間にMP吸って気絶させるか。
次ロックオンされたら絶対死ぬしな。
放置しておくと仲間まで犠牲がでる。
さっさとやる事やっておこう。
俺は全力でMPを吸い上げてイブを気絶させた。
ルーン王国の兵はイブを見る度に、
『殺戮のヴァルキュリア』という名で呼んでいた。
また、やばそうな通り名がついちゃってるよ。
ルーン王国軍は撤退していく。
このルーン王国兵10万の大半を壊滅させた事により、イブの通り名は世界中に轟く事になるのだが、今の俺達には知る由もなかった。
5000 対10万の圧倒的不利に見えた新ドルイド王国だったが、蓋を開けてみると新ドルイド側は死傷者数はほとんどおらず圧勝の結果になった。
実際は1対10万の殺戮ショーだった気もするが、、
なんにしても勝ちは勝ち。
俺達の勝利には変わりない。
とりあえず俺達は黒田達と合流することにした。
相変わらずマイペースな黒田がやってきた。
「よお、流ちゃん元気にしてたぁ?」
「ああ、なんとかな。」
「それにしても何だい、あのバトルサイボーグは?」
「イブの事か?」
「うん。あの子やばすぎない?」
「イブは魔王の子だしな。」
「魔王? それってやばくない? 世界を破滅に導くとかそんなやばい奴だよね?」
「どうだろうなあ。魔王は単なる戦闘狂だな。戦う事以外は興味がないみたいだったし。」
「ふーん。なら今はいいか。それよりイブちゃん起きても暴れない?」
「あー。あれは本気モードになると暴走するだけで、普段は大人しいぜ。」
「お前よく今まであんな子と一緒で無事だったなあ。」
「いや、体に穴とか開けられた事あるし。」
「マジ?」
「マジ。」
それから俺は黒田に元の世界に帰れる方法を話した。
『再起の刻』や『中央ダンジョン』の事など。
「じゃあ、鍵全部集めて『再起の刻』を発動させ、戦略級魔法レベルの魔法なんかを使えば帰れる可能性があるのかな。」
「問題は魔王が素直に鍵渡してくれるかだよなあ。戦いとかになったらキツイわ。」
「強いのかい?」
「本気だしたら魔王は、あのイブの数十倍は強いぜ。」
「それは厳しいね。」
「だろ。だけど行くしかない。寺田は特に帰りたそうにしてるしな。」
「そうか。あいつの家大変だしな。そういえばあいつ合気道みたいなの使ってたよ?」
「え?」
俺は黒田から荒須と寺田の戦いの詳細について
聞いた。
「そうか。俺達パーティーは前衛が強いから寺田が前でて戦う事なかったもんなあ。」
意外だな。対人戦だったから合気道を使ったのか。
モンスター相手じゃ使えないしな。
また、今度寺田から合気道の事は聞いとくか。
「話はこれくらいにして帰ろうぜ黒田。」
俺達はようやくこの城に一ヵ月ぶりに帰ってきた。
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