第12話 憑依
目を開けると苦戦している美香達の姿があった。
「おい、みんな大丈夫か?」
美香が俺に気づいたらしく大声で叫んだ。
「寺田! この反射スキルどうにかしなさいよ!」
「俺、流星だよ。」
「寺田、頭大丈夫?」
そのスキを見逃さなかったボスは
美香に魔法の刃を喰らわせた。
やばい。
俺は咄嗟にファイヤーボルトの魔法を時間差で2回放った。
その魔法は反射されたが二発目の魔法で相殺された。
攻撃は当たらなかったが、注意を引くには十分だった。
俺はすかさず呪術師が使う『アンチスキル』というスキルを使った。
ボスの体からはバリアのようなものが消えていった。
「今だ! 阿部、浩介、全力でスキルを放て!」
二人の筋肉バカは体が燃え上がり、ダンジョンの床や壁は地震のようにグラグラと揺れ、二人は高速で一気にボスとの距離を詰めて左右から燃える拳を打ち込んだ。
ボスの顔は燃えながら跡形もなく消し飛んだ。
俺も破壊的な威力のお釣りをもらい壁の方まで吹き飛んでしまった。
その衝撃で俺の魂は寺田の体から抜け出てしまった。
おいおい威力ありすぎだろ。
もう一度寺田に憑依しようと思ったがmpが枯渇してしまったらしい。
なんてこったい!
これでは俺が助けたわけじゃなく寺田が助けた事になってしまう。
そう考える間に俺の魂は元の体に戻っていた。
「なんだよ! チクショー! 話す時間すらなかったじゃねーかー。」
俺はmpの燃費の悪さを恨んだが、諦めて『瞑想』スキルを使いmp回復をする事にした。
南無南無
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