第7話 死ねかと思った

三日経ったが、クラスメイトは10階から進んでいなかった。


ただ、5人は20階に到達しようとするのが〈周囲探索〉スキルでわかった。


俺は三日間ずっとレベル上げをしていた。

30レベルに到達したところでレベルは上がらなくなっていた。


ステータスは相変わらずあまり上がらないが、

スキルは色々と覚えていた。



〈名前〉山本 流星

〈レベル〉30

〈職業〉模倣士

〈HP〉300

〈MP〉900

〈攻撃力〉64

〈防御力〉66

〈敏捷〉 60

〈魔力〉 153

〈運〉  300

〈スキル〉

(模倣)

(模倣ストック)

  一度模倣した職業を本人がいなくても使用が可能。

  但し、ステータス半分、専用スキルは使用できない。

(姿模倣)

  本人の使用許可なく姿を模倣する。

(ワンコピー)

一日一度どんな技もコピーができる。


(部分模倣)

体の一部だけ模倣が可能。専用スキルは不可。


(融合模倣)

二つのスキルを模倣して融合することができる。


(モンスター模倣)

倒した事のあるモンスターを模倣することができる。


(併用模倣)

部分模倣を覚えている場合、二つ同時に部分模倣ができる。


色々スキルを覚えたが

部分模倣と併用模倣は重宝した。


遠距離戦と近距離戦を同時にこなすことができる優れものだ。MP消費も少なく、部分的にその職業と同じ力が引き出せる。

但し、両腕二つに部分模倣を使うと体は模倣士の貧弱な体なので、一撃くらうとほとんどHPがなくなる。

諸刃の剣だが使い方次第ではどんな局面でも戦える。


そして、〈融合模倣〉これが一番チートスキルかも知れない。専用スキルは無理だが、雷魔法と斬撃を融合して魔法剣みたいなことができる。

模倣ストックと融合模倣を駆使すればステータス半分でも本職以上に戦うことができる。


問題はやはり燃費の悪さだな。

MPドレインというMPを吸い取るスキルがあるが

それを遥かに上回るMP消費量だから長時間戦えない。


格闘家のスキルに〈瞑想〉というスキルがあるから、安全な場所ならすぐ回復できるが戦闘中は使えない。


レベルが上がっても三分くらいしか全力で戦えない。

いかに節約して戦うかが模倣士の腕の見せ所なのが三日間でようやく分かった。


このまま、四十階にいても時間がかかる。こうなれば三十九階のボスに挑んで上に登るか?


いざとなれば四十階に逃げ込めばいいしな。


「よし、三十九階にいってみるか。」


おれは錬金術士の職業でHP MP回復速度増加ポーションを沢山作り三十九階に挑む事にした。


三十九階を登ると四十階行きの階段は姿を消した。


まずい!ボスを倒さないと下の階に行けないようになっているのか。

四十階と三十九階を往復して回復しながら戦う予定だったが、この作戦は脆くも崩れた。


やばいぞ、、ボス戦って大体5人以上で三十分戦うのが相場だ。

一人じゃ厳しくないか?!

俺の戦力は三分間本職の1.5倍になる程度で無理だろ。

と考えている間に目の前に

首が三つ、体は二階建てビルくらいのやばそうなのが出てきた。

火を吹く頭、冷気を吐く頭、雷の火花を散らす頭。


三属性同時攻撃型のケロベロスだな。


俺は鑑定士の職業でステータス鑑定した。


〈名前〉ケロベロス

〈レベル〉56

〈HP〉25000

〈MP〉1000

〈攻撃力〉6500

〈防御力〉6000

〈敏捷〉 6000

〈魔力〉 3000

〈運〉  3000



まてまて!これ攻撃くらえば即死じゃないか?

ステータス100倍違うんですが、、


本職の、剣豪なら互角のステータスくらいかもしれないが。

まともにやったら勝てないな。


とりあえず〈模倣ストック〉で剣豪に模倣した。

ステータスはやはり半分くらい。

どうする?


相手は考える暇も与えず火を拭いてきた。


とっさに部分模倣で左手を魔導師に模倣して、

マジックシールドを張った。

マジックシールドは一瞬で壊れて俺は少しダメージを食らっていた。


やばいな。これは防げない。避けるスキルを駆使するしかない。

先に回復を部分模倣で行った。回復ポーションも飲みまくった。


確か、足止めのスキルを持っている職業があったな。

なんだったかな。考える間もなく雷が飛んでくる。

俺は足を部分模倣でアサシンに変えて高速移動で避けた。


あった!精霊使いの魔法だ。左手で魔法を放った。


〈土の束縛〉


ケロベロスの動きが止まった。

すかさず鑑定スキルを使い弱点を探った。


心臓が弱点?


なら、


「融合模倣」

鑑定と周囲索敵を融合させて

相手の心臓の位置を捉えた。


既に MPは残り四分の一になっていた。


攻撃手段が問題だ。正確で貫通できるスキルじゃないと

倒せないだろう。

使えるとしてもあと一回融合模倣が使える程度


正確に攻撃するなら、弓使いか?

よし、


「融合模倣」


精密射撃と魔導師の光の貫通魔法を融合させた。


模倣士の短剣は弓に変わり、おれは弓を力いっぱい引いた。


これで駄目ならアサシンスキルで隠れまくるしかない!


いけぇー!


鋭い光の矢はケロベロスの体と心臓を貫いた。


「よっしゃあ!」

と思ったのも束の間。


ケロベロスは、まだ息があり最後に火と氷と雷を同時に放ってきた。


無防備なおれはめがけて飛んできた。


それを全て食らってしまった。


だが、俺のHPがなくなるより先にケロベロスは先に力尽きた。


しかし、ケロベロスの放った攻撃を食らったおれはHP残り10になっていた。


状態異常つきの攻撃らしく、おれのHPは徐々に消えていた。


死ぬのか?

思えば短い人生だった。

せめて童貞くらい捨てていれば

悔いがなかった。

幼なじみの美香の顔がこんな時に

浮かんできやがる

本当にやばいな、

・・・


━━━━━━━━━━━━━━━


いやまだ、死ねない!


俺はまだ彼女すら作っていないのだから!


「モンスター模倣」


ケロベロスに模倣した。

MPがちょうど0になりすぐ模倣も解けた。

状態異常も消えていた。


あぶねー。


モンスター模倣は完全なコピーが可能らしい。


ならすごく強くないか俺?!


ただ見た目がなあ、、明らかにボスキャラだ、、


今はとりあえず、40階にいって寝よう。


疲れた、

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る