一章 極悪パーティー現る

第1話 ウルト◯マンのような職業

「ようこそ我が新ドルイド国へ!」

怪しげなちょび髭をつけたおっさんがいきなり挨拶してきた。

俺たちは、調査団に連れられて新ドルイド国へ来ていた。

立派な城みたいなとこに来た所で、このちょび髭が登場だ。

よくわからん世界だが、街並みを見るかぎり中世ヨーロッパ的な雰囲気の街だった。よくあるMMO的な世界だな。

俺たちの担任のひょろ眼鏡とちょび髭がなんか話してるようだ。

どちらも、色んな意味で信用できない大人だがとりあえず話を見守ることにした。


後ろから美香がいきなり頭の真上を掴んできた。

「何を考えてるのかな〜 ちみは?」


幼なじみの美香が俺にちょっかいをかけてきた。こいつは、小さい頃から男勝りで俺にちょっかいをかけてくるやつだ。顔は悪くないんだが、、性格が問題だ。


「なんも考えてねーよ。あそこの二人を見てるだけだよ。」

「そっかあ〜、てっきり可愛い子でも探してるのかと思ったよぉ。」

「そうそう、気づいた?意識を集中すると自分のステータスが見えるんだよ!MMOそのままだね!」


ステータス? 俺も勇者や魔法使いなんかになっているのか?!

俺は早速意識を集中した。


〈名前〉山本 流星

〈レベル〉1

〈職業〉模倣士

〈HP〉10

〈MP〉100

〈攻撃力〉1

〈防御力〉1

〈敏捷〉 1

〈魔力〉 1

〈運〉  20

〈スキル〉模倣


近くにいる者のステータスとスキルをコピーできる。レベルの増加と供にコピーできる人数と重ね掛けコピーが可能


なんだこの職業は?ステータス低くないか?!

運がよくてあとゴミだな。スキルだけが気になる所だな。


ステータスとスキルをコピー?

重ね掛けがよくわからんが、

これはひょっとしてレアスキルか?美香のスキルと比べてみるか。


「美香、お前のステータスどんな感じだ?」


〈名前〉鈴木 美香

〈レベル〉1

〈職業〉女剣豪

〈HP〉200

〈MP〉100

〈攻撃力〉100

〈防御力〉100

〈敏捷〉 100

〈魔力〉 50

〈運〉  10

〈スキル〉業火一閃

全てのMPを消費して縦一文字に敵を薙ぎ払う。

その威力は山も砕くと言われる。


まてまて、俺と差がありすぎないか?!

美香は剣豪って感じだがこれは差がありすぎだろ。

運以外負けてないか?!


「何よ?あんたは?、、プッ 何それ?模倣士?

はずれ職業なんじゃないの?!」


ムカッと来たが、俺の方が美香より大人だ。

今日は怒らずにいてやるぜ。


しかし、こいつを模倣するとどうなるんだ?

試しにやってみるか!

「模倣」

適当に言ってみたがいけるか?!


俺の体はボンヤリと七色に光

コピーする人物の候補が頭の中に出てきた。

早速 美香を選んでみた。


「あれ?なんか模倣を承認しますかってでたよ?」


げっ このスキル承認されないと模倣できないのか、


「承認してくれるか?」

「いいけど、借し1だよ。」


うわー、俺スキル使う度に貸しを作るのか、、なんか憂鬱になってきたぞ、、


そう考えているうちに模倣は完了していた。


〈HP〉210

〈MP〉200

〈攻撃力〉101

〈防御力〉101

〈敏捷〉 101

〈魔力〉 70

〈運〉  30

〈スキル〉模倣

     業火一閃



おおー加算されている。

これはきっと当たりスキルだ!俺は確信していた。

しかし、よくみると、mpが1づつ減っている。

まてまて、模倣中はmp減るのか、、

ウルトラマンみたいなものか、、

勇者や魔法を一時的に味わえるゴミスキルか、、

俺の夢は儚く散った。

膝を地面につけて真っ白になっていた。


美香が憐むように見てきた。

「どうしたのよ流星。」

「いや、なんでもない。俺が夢を見たのが悪かったのさ。」


そんな風に遊んでいる間に大人達の話は終わっていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る