第17話 全員捕獲(1)
~リュウジの視点~
俊足の兎死団の幹部以外の団員を冒険者ギルドで貰った縄を使って身動きを取れなくしたとたん、どこからか白い煙が出てきた。
「な、なんだろうこの煙?」
「わ、わからないんだな。リュウジ、僕から離れないでおいてほしいんだな」
「どうやらミングが煙幕を使いすぎてしまったようです。今、風魔法でこの煙を晴らすのでどうかご安心を」
「あっ!ソウタロウ!そ、そんなことができるの?じゃあお願いできる?」
「お任せを。『送風』」
いつの間にか後ろにいたソウタロウが来ていて、煙を風魔法で晴らしてくれた。
え?ミングがこの煙を出したの?あいつなら煙の量を調節できないって言われても納得できるわ。まあ失敗は誰にでもあるからな。
「ソウタロウがここにいるっていうことは幹部との戦闘が終わったってこと?」
「はい。私以外ももう終わっているようです」
「早っ!」
あれ?結構てごわい相手っていう話じゃなかったっけ?
まあみんなが無事でいるならそれでいいけどさ、もうちょっと時間がかかると思っていたから少しあっけなく感じちゃうなぁ…。
「そうだ。まずガモスのステータスから見せてくれない?」
「承知しました。こちらになります」
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名前:ガモス Lv.24
種族:鴨頭族 25歳
職業:俊足の兎死団 幹部
固有スキル:【盛り上げ上手】…この固有スキルの所有者が場を盛り上げたとき、その場にいた者の身体能力を上げる。
スキル:弓術4…弓を扱う技術。
文章力4…文章を作成する技術。
武器:アーチャースケルトンの弓
防具・上:鉄の革鎧
防具・下 鉄の腰だれ
アクセサリー:日記セット
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「文章力は商会を立ち上げたときに役に立ちそうなスキルですね」
「(ボソッ 文章力はスキルじゃない気が…。)」
「何か言いましたか?」
「いやいや何にも?それでソウタロウの周りにいる鶏頭の人達は誰なの?」
「はい。この者たちは俊足の兎死団の幹部の1人、サカチキとその部下たちです」
「えっ!このサカチキはとてつもなく足が速いうえに部下たちと連携を取って来る厄介な奴なのによく倒せましたね」
「普通に倒せましたよ?さあリュウジ様。この者にはもう洗脳を施しました。いつでもステータスを確認することができますがいかがなさいますか?」
「全然普通ではないんですが…」
「よし、見せてもらえるかな?」
「わかりましたチキ。」
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名前:サカチキ Lv.26
種族:鶏頭族 25歳
職業:俊足の兎死団 幹部
固有スキル:【爆速な忍び足】…自分や味方が忍び足をするときに、走る速さが上がり、ばれる確率が低くなる。
スキル:短刀術4…短刀を操る技術。
トレーニング4…トレーニングをしたときの効果が2倍になる。
筋力3…力を加えるときの強さが1.75倍になる。
武器:鉄の短刀
防具・上:麻の装束・上
防具・下:麻の装束・下
アクセサリー:汗臭いダンベル
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おいおい。THE 筋肉ゴリゴリマッチョやん。
だけど走る速さは速いってギャップがすげぇな。
「とりあえず、みんなのところに行ってみようか」
「?そうですか?承知いたしました」
◆
次に俊足の兎死団の幹部の1人であるジンシープを倒したスガルとミングのところに来た。
「旦那!うちのミングがへまやらかしてすんません!許してやってくだせぇ!」
「マジすいませんっす!」
「いいよいいよ。全然失敗でもなんでもないから。それよりも幹部を倒しったていうほうに驚いているし。」
「そ、それはそんなに俺たちに期待してなかったってことすか!?」
「だ、旦那ぁ~それはひどくないでやんすかぁ~?」
「ごめんごめん!」
「リュウジ様。ジンシープの洗脳が終わりました」
「あっもう終わったの?」
「ソウタロウさんは仕事が速いっすねぇ~」
「俺たちもあんなふうになりたいな!」
「お前らには無理だよ。さあ!ステータスを見よっか!」
「さらっとひどいことを言ったっすね…」
「わ~か~りま~し~た~。」
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名前:ジンシープ Lv.26
種族:羊頭族 25歳
職業:俊足の兎死団 幹部
固有スキル:【夢見心地ワールド】…相手を眠らせやすくする。代償として、自分も眠くなる。寝るとまた使える。
スキル:睡眠5…少ししか眠らなくても長時間寝たことになる。
状態異常攻撃(睡眠)3…相手に眠り効果を与える。
武器:なし
防具・上:もこもこパジャマ・上(白)
防具・下:もこもこパジャマ・下(白)
アクセサリー:ふかふか枕
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いや徹底的な後方支援型じゃん!しかもすげー睡眠の状態異常のレベル高いじゃん。
よくスガルとミング勝てたな。すごいと思うわ。
「ほう。これはいいスキルを持っていますね。敵を簡単に無力化できるうえに商会を立ち上げたときに仕事で徹夜明けでもすぐに寝付くことができるので起きたらすぐ仕事をするという効率的な方法が使えます。」
コウタロウサンスゴクコワイコトカンガエテルヨー。
普通にほぼ拷問じゃんかそれは。
えげつないえげつない。
◆
いやー盗賊団って言ってもすごく強い人がたくさんいるなー。
こうしてみると戦闘スキルを持っていない僕のダメダメさがよくわかってしまう
なー。ミンナツヨイナー。
まあいいか。さて次は団長と副団長のところへ行くか。
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