第2話 調査開始
馬車で街を出てしばらくするとわき道が出てきた。
ケイ「このわき道を行った先が救世院だ。」
フェイ「なるほどな、来た道も覚えておいてくれよ。」
ケイ「ああ、俺はお前に借りた金以外は覚えているからな。」
フェイ「1億貸しているからな、後で借用書書いてやるからとっとけ。」
そう言うとフェイは辺りを見渡した。
道を進んだ先に開けた丘がある、森の少し手前にその修道院はあった。
屋根に鐘楼が着いた、井戸のある、木材を白く塗った壁が特徴的な大きな建物。
綺麗に整えられた敷地からは人の住んでいる気配がする。
今は外に人はいない、中で何かをしているようだ。
周辺の土地と救世院を一通り見て終えると、立地を紙に取り一旦街へ戻ることにした。
ケイ「これでいいのか?」
フェイ「ああ、今回はこれでいい。何かあった時の経路を確認しておく、相手が襲ってこないとも限らないしな」
ケイ「そうだな、そのままお前まで消えちまうなんて事もあるかもな?」
フェイ「ああ、その事態も想定しておくさ。非常の際のシグナルも用意しよう」
ケイ「了解、戻ったら作戦会議だなあこりゃ」
フェイ「調査には時間がかかるからな。準備はしておくに越したことはない。」
二人は馬車を進め街に戻って行った。街に着く頃には日が暮れかかっていた。
ケイ「フェイお前この後どうする?」
フェイ「今日はこれで上がるよ、明日の準備もあるし。お前はどうするんだ?」
ケイ「俺は今日の分の報告書を書く、お前のバックアップに回されたからな。必要な備品と費用も申請しなきゃならん。」
フェイ「ああ、素手で戦えなんて言われないといいんだけどな?屈強な男がうろついていたとでも書いておいてくれ」
ケイ「ええ?屈強な男が好みだって?ジェイクに紹介してもらえるよう頼んでおいてやるよ。」
フェイ「これで死んだら毎晩お前の枕元に行ってやるからな!嫁さんと俺と3人で仲良く生活したくなければ装備を調達するんだ!わかったな!」
ケイ「毎晩枕元で小言聞かされるのはごめんだね。救世院を木っ端微塵にできる大砲でも申請しておくか!」
フェイ「使用が許可されればいいけどな、俺まで吹き飛ばすなよ!」
ケイ「多分大丈夫だ。じゃあまた公安部の会議室で落ち合おう。」
日も暮れかかった頃、フェイは帰途に着いた。
家のドアを開けると妻のシルバのおかえりという声が聞こえた。
フェイ「ただいま。」
シルバ「早かったのね。もうご飯にする?」
フェイ「ああ、仕事でしばらく帰れないかもしれない、詳細は言えない」
シルバ「そう、心配だけどちゃんと帰ってきてね」
フェイ「ああ、死ぬつもりはないさ」
シルバ「分かってるけど心配なのよ!」
フェイ「こればっかりはしょうがない、しばらくしたら帰って来れるようになるよ。」
シルバ「そう、じゃあ美味しいものを用意しないといけないわね、あなたの好きな物用意しなくちゃだわ。」
フェイ「ああ、そうしてくれると助かる。満足な食事にありつけるかも分からないからな。」
そう言うとシルバは食事の準備をし始めた。
フェイはソファに横になりながら考え事をしていた。
これからしばらく休みなしか、ご飯を食べたら今日はゆっくり休もう。
それで仕事が終わったらシルバとどこかに出かけよう。
これからの事を考えているうちに食事が出来た。
フェイの好物を食べながらシルバと会話をしていると夜が更けていった。
ひと時の幸せな時間を過ごし夜が明けた。
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