平穏な日常
ようやくノロイ大量発生とアンデッド化の問題が解決した。
ノロイは大型や中型が残っていると増殖してしまう。
知らない間にまた大量発生、なんてことにならないように探索と討伐は継続されている。
主に冒険者に依頼するかたちで常設依頼となっていった。
アンデッド化についても発生はしなくなったが、被害は甚大であった。
各地で復興が行われているが、まだまだだ。
ウラドラ商会やウィリアム騎士団による支援は行われている。
ウィリアムの街周辺は平和なものだ。
ノロイによる被害もアンデッド化も起きていない。
そんな平和な街を目指してやってくる人間は後を絶たず、街はどんどん大きくなっている。
状況が落ち着いたことで、ウィルはようやく結婚相手候補リストに目を通すことが出来た。
・・・はい。
驚いております。。。
誰か手を挙げてくれたら嬉しいな~、ぐらいの軽い気持ちだったんです。
まさか、こんな凄いリストになるとは思ってませんでした。。。
まず人数。
多過ぎるよ!
50人ぐらいいるし!
メンバーも豪華過ぎ。
王族も大安売り状態。
それに仲間内からの立候補もかなり多い。
誰も来なかったら可哀想ってことで手を挙げてくれたのかな?
それでも、ここに書かれている以上は、こちらが結婚の意思を示したら、ノーと言えないんだよ。
みんな優し過ぎるよ!
どうしよう?
タチアナは1人じゃなくてもいいって言ってたよな。
でも何人ぐらいまでならいいの??
・・・って言うかタチアナの名前もあったし!
いや、タチアナだけじゃない。
メルもミルもミレーヌもいた。
なんで!?
街のみんなだけじゃない。
ミリアやリンカの教会組もいる。
それにクラリスやカレン、リディアにエリュートロンもいた。
ただ、リディアとエリュートロンはクラリスと結婚することが条件になっていた。
いやいや、勇者パーティーの半分以上が妻ってどんな状況よ!
悩ましい、、、
選んでも、選ばなくても色々と問題が出てきそう。
どうしよう???
でもいつまでも先延ばしは出来ない。
期限までに答えない、は断ったと同じ意味だ。
これだけのメンバーがいて、誰も選ばなかったら、もう後が無い。
『今回は断ったけど次回もエントリーしてね』なんて、都合のいいことは言えない。
決めなければ。。。
そんなことを考えていると、
ソニアがやって来た。
「失礼致します。」
「どうしたの?」
「各国の王より通信のご依頼が入っています。急ぎではないようですが、いかが致しましょう?」
「すぐに出よう。
陛下をお待たせする訳にはいかないからね。」
「承知致しました。」
ウィルが通信室に入るといつもの王様たちが待っていた。
「お待たせして申し訳ございません。」
「いや、こちらが急に呼び出したのだ。
時間を作ってくれたことに感謝する。」
エール国王から返答があった。
「もったいないお言葉です。
で、今日はどのようなご用件でしょうか?」
「実はな。
今回のノロイやアンデッドの一件もウィルが解決に導いてくれた。
その礼も兼ねて、フィガロ王、ロンム王、カンロ王からお願いがあるのだ。」
「ん??
お礼を兼ねたお願い?」
なかなか謎なワードだね。
「そうだ。3国からウィルに領地を与えたいとの申し出があった。」
「陛下がその話をされるということは、陛下は了承されている、ということですか?」
「その通りだ。
ただ、ウィルの領地と言っても少し特殊な扱いになる。
国としては各国に属したままでエール王国の領地とはならない。」
「何故そのようなことをされるのですか?」
「私が代表して答えよう。」
フィガロ国王が名乗り出た。
「まず、感謝を示したいというのは間違いない。
ただ、感謝だけでなく打算があるのも確かだ。
ウィルが治めれば、ウラドラ商会の拠点となり、周囲にも経済効果が出る。
それにあのウィリアム騎士団がいれば、周辺エリアの安全も格段に高まる。
特に度重なるモンスターの被害を受けた我が国が自力で復興するのには時間がかかり過ぎる。
お主の力を借りたいというのが本音だ。」
「なるほど、わかりました。
お受けするかどうかは条件次第ですね。
立地や広さ、それに条件次第ですね。」
「それもそうだな。各国が用意している場所を伝えよう。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます