幕間 フル装備勇者
「ついに揃ったな!」
レオンが歓喜の声をあげた。
「長かったわ。」
「これで魔王と戦う準備が整ったわね。」
「女神の羅針盤もこれでおしまいですね。」
女神の羅針盤に従ってダンジョンを巡り、魔王と戦うための装備を集める。そんな勇者パーティーの冒険が区切りを迎えた。
「カレン、これからどうしますか?」
「ハンスさんたちと合流して、ウィリアムの街に戻りましょう。そして魔王討伐の準備を整えてから出発しましょう。」
「そうね。ウィルにも羅針盤の冒険が終わったことを教えてあげないとね。」
「この知らせで一番喜ぶのはハンスさんかもな。あの人、ドラゴンに乗って移動するの嫌がってたし。」
「確かにね。」
そんな話をしながらハンスとコロネの元に戻った。
「やったぜ!これでドラゴンから解放される♪」
というのがハンスの反応だった。
「お疲れさまでした。」
コロネは平常運転のままだ。
そしてウィリアムの街に帰還した。
「みんなお疲れさま。最後のダンジョンはどうだった?」
「いつものモンスターの方が強いぐらいでしたよ。」
「まったく問題ございませんわ。」
「楽勝だぜ。」
「ようやく羅針盤の冒険も終了しました。後は魔王を倒すだけです。」
「魔王は強敵だよ。しっかりと準備を整えてから挑まないとダメだよ。」
「もちろん。でも、これまでのダンジョンで色々と装備品が手に入ったけど、ウィルが作ってくれた装備には見劣りするのよね。」
「ウィルが作ってくれた装備に勝る物はありませんでした。」
「私も勇者装備よりもウィルが作ってくれた装備の方がいいんですけど。」
「カレンは仕方ないよ。勇者専用装備だからね。でも少しの間私に預けてくれたら整備するよ。」
「ホント!やった~♪」
「他の皆も装備を調整しとくよ。」
「わ~い♪」
「さすがウィル!」
「人数が多いから3日ぐらい待ってね。」
「「「は~い」」」
「じゃあ装備の準備が整うまで街でゆっくりしていってよ。ちょうどイベントも開催予定だから、参加していってよ。」
「どのようなイベントですの?」
「武道会だよ。ゲオルグが熱望してね。大変だったんだよ。」
「ゲオルグは剣術バカだからな。でもなんで武道会なんだ?」
「それがさぁ~、たまたまゲオルグがキルアと会っちゃったんだよね。」
「キルアって、たしか『帰らずの回廊』のダンジョンマスターだよね。」
「そうそう、キルアってさ、けっこう強いんだよ。でも好戦的なタイプじゃないからゲオルグが誘っても全然相手にしなかったんだ。
でさ、キルアの戦ってる姿には興味があったから、報酬を用意するからって条件で参加の承諾をもらったんだよ。」
「ウィルが強いって言うぐらいだから相当なんだろうな。俺もその戦いを見てみたいな。」
「それでせっかくだから武道会を開催することにしたんだよ。色々な準備はミルやミレーヌに任せてるけど、今の感じだとかなり大きな規模の大会になりそうだね。
今回はこちらで選んだメンバー中心になる予定なんだ。さすがにゲオルグやキルアが参加するのに弱い人が混じると死んじゃうからね。
推薦枠と予選突破枠のトーナメント方式なんだ。
みんなも参加してよ。もちろん面倒な予選無しの推薦枠に入れとくし。調整を終えた装備のチェックも兼ねてさ。」
「面白そうね、参加するわ。」
「クラリス様、さすがに危険です。」
「安心して。審判役は私がします。万が一の事故が無いようにするから。」
「それなら安心です。」
「リディアも出てよ。」
「わかりました。参加します。」
「私も参加致します。腕試しに良さそうですわ。」
「俺も出るぞ。面白そうだ。」
「私も参加します。」
「私はパス~。回復役が1人で戦ってもどうしようもないし。」
「俺もパスだな。そもそも戦闘職じゃないし。」
「それでウィルは参加しないのですか?」
「今回は参加の許可を取ってるんだ。もちろん優勝は譲らないよ。」
「他には誰が出る予定なの?」
「後はカシムとソニアにも参加してもらう予定。みんなが参加してくれると一気にメンバーがそろうよ。面白い大会になりそうだよ。」
「確かに、恐ろしくハイレベルな大会になりそうね。普通の大会の参加者じゃ試合にならないわね。」
「これから準備に忙しくなるね。魔王討伐前に腕試しを楽しんでよ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます