ドラクロアダンジョン
「あんな寝心地の良いベッドは初めてです。」
「パジャマも素晴らしいですわ。素材は何かしら。」
「すべてが超一級品ばかりだ。どうやったらこんなのを集められるんだ?」
「王宮でもここまで贅沢ではありませんわ。」
「この朝食も素晴らしい。サラダだけでも信じられないぐらい美味しいです。」
みんなの褒め言葉の連打に、ついニヤニヤしてしまう。
「喜んでもらえて良かった。おもてなしは成功だね♪
美味しいご飯とゆっくり休めるベッドで疲れを取ってダンジョンアタックを頑張るよ!」
午前中はみんなで勉強会。
昼食後、
「部屋に特別な防具を置いてあるから、装備して集合ね。」
「・・・なんですの、これは?」
上下紺色のジャージ姿の集団。
胸の位置には『クラリス』と書かれている。
「『トレーニングジャージ』だよ。防御力もまあまあだし。何より『取得経験値上昇』の効果がついているんだよ。上下セットで装備すると、20%アップだよ。」
「見た目に反して、効果がすごいな。」
「取得経験値20%アップの効果があるから、全員分を揃えたんだよ。」
うん。軽い悪ノリで作っちゃいました♪
防御力もミスリル製の鎧並にあるから、安心だしね。
「レオンとモーリンの武器も用意したよ。
レオンのが『パラライズガン』。
ダメージは『器用さ』に依存するから、レオンでもダメージが期待できるよ。しかも稀に麻痺を与える場合があるから、役に立つと思うよ。」
「すげぇな!銃なんて初めて触ったぜ。」
「銃はダンジョンの相当深いエリアの宝箱からしか出ない貴重品だぞ。」
「モーリンのは消費アイテムなんだけど、『ホーリーサークル』っていうアイテムだ。敵の群に向かって投げつけて。
間違って足元に落とさないようにね。
それと、1回の戦闘で、最初に1つだけ使って。使用後は回復要因としての仕事に専念して。」
「わかった。最初にアイテムで経験値を稼ぐって感じね。」
「聞いたことの無いアイテムね。キース知ってる?」
「いや、知らないな。消費アイテムは種類が多いから把握できないんだ。」
「今日は弱めのモンスターでスタートするから、使って慣れてみてよ。
じゃあ行こうか。」
みんなで移動。
みんなのレベルは
クラリス様、リディア、エリュートロン、キースは20ぐらい。
レオン、モーリン、カレンは10ぐらいだ。
ドラクロアダンジョンの適正レベルは5刻みだから、下に合わせればレベル10、上に合わせれば、レベル20。けっこう差が大きい。
今日はレベル10からスタートする予定にしている。みんなのパーティーとしての練習に重点をおきたい。
「今日は適正レベル10のモンスターと戦ってもらうよ。1体1体は弱いから、今後に向けて、フォーメーションや役割分担、連携を意識して欲しいんだ。
前衛はリディア、エリュートロン、カレン、キース。
リディアとエリュートロンは防御力も高いから、敵を引き付けて欲しい。
カレンとキースはアタッカーとして後衛に敵が行かないような立ち回りを意識して。
クラリス様とレオンは後列からのアタッカーだね。特にクラリス様は最大火力になるから、その火力を有効活用して欲しい。
レオンはアシストに専念だね。他のメンバーほどの攻撃力は無いから、足止めや弱った相手のトドメとかだね。
モーリンは回復要因。パーティーの要だね。他のメンバーの動向をよく見て、ダメージを受けたメンバーを適時回復して。
僕とカシムは事故が無いようにサポートするから、戦力とは考えないでね。」
そして、モンスターとの戦いが始まった。
「すごい!」
開始と同時にモーリンが投げた『ホーリーサークル』が炸裂。半径3メートルぐらいの光の円柱が出来上がる。
その円柱に触れたモンスターはたちまち消滅していった。
「モンスターが多い!」
「焦るな!
1体1体は弱い。確実に倒していくぞ!」
「はい!」
「クラリス様には近づけない!」
「これだけいりゃ、適当に撃っても当たるな。」
前衛の4人が前に躍り出る。
モンスターたちを一撃で仕留めていく。
そして、クラリスが撃ち出した巨大な火球がたくさんのモンスターを一瞬で焼き払う。
そして、、、
「これぐらい軽いですわ。」
「完勝だな!」
「余裕余裕♪」
「なんとか勝てたね。休憩した後に次は適正レベル15のフロアに移動するよ。
ソニア、ジュースとお菓子を配って。」
「承知しました。こちらのジュースにはMP 回復の効果があるので、是非お召し上がりください。」
「美味しい!これでMP も回復なんて信じられない!」
「って言うか、MP 回復効果のジュースってなんだよ!こんなのどこで手に入るんだよ。」
「MP の回復効果がMP ポーションと同等クラスですわ。これだけ美味しく回復できるのは有難いですわね。」
「じゃあ、休憩したら出発だよ。次は更にモンスターが強くなるから気をつけてね。」
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