第6話子供の命もお金がなければ救えない?!

なんとか午後の開始が一番早い病院に20分前に到着。どんなに子供の症状が重かろうとも病院は時間にならないと電話も通じない。普段全く病院にかからない私と子供たちなだけに、かってがわからずイライラしてしまった。

頭痛がひどく、「もう無理、もう無理」と連呼している子供の目の前を、予約しているので優先して受診できる元気そうにみえる子供たちが横切っていく。子供はそれをみて、

「何であんな元気な子が先で、私は後なの?こんなに苦しいのに」と言う。こういうとき先にみてもらいたいなら、親が医者になるかお金を積んで優先順位を買うしかないと夫は言った。切ない現実を改めて見せつけられた。こういうのを経験して、子供も世の中の黒い部分を知っていくのかと悲観するか、こういう世の中を変えたいと前向きな野望をもつのか、一体どっちなんだろうと思った。

今度の小児科はいきなり車内で抗原検査をされた。鼻の奥結構深くまで棒をつっこまれたので、上の子はこれでまた相当なダメージ。結果を待つまでまたしても10分。待たなくても陽性と結果がわかることは隠蔽していなくては受診できないのでひたすら待つ。

先程よりもしっかりした防護服を着た院長先生が出てきて、陽性だったので保健所の指示に従って下さいと促す。喉をみてくれただけで、点滴の処方は促してもらえない。数日前に下の子をみてくれた先生が、口から栄養入れられない分、点滴すれば栄養が直接入って安心ですからねと言って下さったのを思い出して、たまらずこちらからお願いした。すると、なかばイヤイヤではあったがしぶしぶ点滴処置をしてもらえた。もしこのとき、先生の処方しかなかったら子供は脱水症状がひどくなっていたのでは?あれだけ待たされた挙げ句、保健所の指示に従って下さいで済まされていたらなんとも腑に落ちなかったに違いない。病院とはこんなものか。何十年も生きてきたが知らないことは無限にある。当たり前だけど。笑。

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