第45話
萌は近くの公民館で行われている、地域の合唱団の定期発表会を見に来ている。
合唱中にカメラをパシャパシャ撮っているおばさん。
自分の子供を撮っているのだろう夢中になっていた。
二曲目が始まってもずっとカメラを撮っている。
(撮りすぎじゃない? うるさいんだけど)
萌はイライラし始めてきた。
まわりの人も、ちらちら後ろをふりかえって、そのおばさんを見る。
三曲目もずっと撮っていた。
いい加減にしてほしく萌はキッとおばさんを睨みつける。
(こらしめてやる!)
三曲目が終わってすぐに萌はおばさんのカメラの中をダンゴムシでいっぱいにしてやった。
カメラが動かなくなっておばさんは撮るのをやめたようだった。
撮るのはいいが、まわりに配慮してほしいものだ。
喫茶店の隅でピアノを弾いている少年がいた。
キラキラ星。
別に上手くもなんともない、始めたばかりのようだが、とても楽しそうだ。
「ねえ、あの子元の世界に帰らないの?」
「なんか、願いごとを一つ叶えてやろうとか萌に言ったら別にいらないよって、かえされて、なぜいらないんだって聞いたら、萌が今が幸せだものって答えたんだよ、そしたらそなた氣に入ったぞ!とか言いだしてさ帰るのやめたんだって」
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