千古、玉を埋むるの地
清瀬 六朗
第1話 私の「座右の銘」
とざきとおる様主催の自主企画「3つの質問に答えてくれる作品を募集!」に参加させていただこうと、その質問へのお答えとしてこの文章を書いています。
1 あなたの座右の銘、あるいは心に残っている名言を教えてください
「
(不須出處求眞迹 却喜忠良做話頭)
昔の有名な書家の書いた文字、
「出処」は「出どころ」です。
だから、「出処に真跡を求める」とは、書道のお手本にするのに、ちゃんとした書家の、ほんとうにそのひとが書いたとわかっている文字を使う、というようなことでしょう。
そこで、「出処に真跡を求める」で、「生きかたのすみずみまで
「忠良」は「忠実で善良な人たち」、「話頭となる」は「話題に上る」、「話題になる」です。
だから、このことばは「何ごとにも由緒正しさを求めるような生きかたはしなくていい。みんなが(いつまでも)語り草にしてくれるように生きられれば
これが、私が小説を書くときの「座右の銘」としていることばです。
2 それはどこで見た・聞いた言葉でしょうか?
『
『水滸伝』は、当時(
日本語で「読み下し文」にすると「なんで小説のなかに堅苦しい漢詩なんかが入ってるの?」と感じるのですが、中国語(漢語)で読むと、詩は、たとえば(
感極まる場面に、その場面に適した詩が入り、物語の
この詩は、『水滸伝』の長い物語を締めくくる部分でうたわれる詩の一部分です。
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