第32話 新宝箱

僕はもうこの階層にとどまる必要は無かった。

騙されたり死にかけたりしたが、闇落ちを選ぶことで新たな強さを得ることが出来た。

アバターポイントも十分貯まったので、次の階層にに行く前にスタンダード宝箱とは違う別の宝箱を購入しても良いのかもしれない。


豪華で重い宝箱は僕には不要だ。

軽量化されつつも頑丈な宝箱が向いているだろう。


僕のアバターポイントは65,800P。

今回僕が選択した宝箱は【悪魔の箱】


【悪魔の箱(デビルボックス)】

ドクロマークが描かれた小型の宝箱。暗黒系スキルに特化。

宝箱初級クラスに該当。


必要アバターポイントはスタンダード宝箱の5倍の50,000P。

少々高価だが、次の階層のための投資と思い、【悪魔の箱】を購入した。


「【悪魔の箱】を購入しました。早速宿替えしますか?」

機械音の声が僕の頭に響く。

僕は迷いもなく「はい」を選択した。


「【悪魔の箱】にデータを移行します。しばらくお待ちください」


青白い光が僕を包み、木箱がゆっくりと消滅していく。

それと同時に新しい箱が形成される。

今度の箱は赤と黒のコントラストが美しい、小型の箱だ。

宝箱というよりも大きめのジュエリーボックスに近い。


箱の移行までにそう時間はかからなかった。

およそ15分後、箱のインストールは完成した。


早速ステータスを調べてみた。



【ステータス】

名前:光

種族:ミミック

クラス:初級ミミック

称号:モンスターイーター、ラッキーマン、マンイーター、闇落ち

Lv:15

HP(体力):5300(+5000)

MP(魔力):7500(+15000)

SP(スキルポイント):8500(+3000)

筋力:1000(+105000)

耐久:2000(+5000)

知力:3500(+7500)

器用:1800(+5000)

俊敏:1000(+7500)

運:100000

【スキル】

攻撃系

食べるLv8、早食いLv8、舌Lv7、溶解Lv5、体当たりLv7、毒針Lv6、狙い打つLv3、飛びかかるLv4、暴食Lv1 、不意打ちLv4、振り回すLv3、格闘Lv4、落とし穴Lv4、投石Lv2、鞭Lv4、斬撃Lv3、呪いLv6、奪うLv7、ポイズンブレスLv2


耐性

毒耐性Lv6、溶解耐性Lv2、暗闇耐性Lv2


補助

方向転換Lv7、鑑定Lv7、擬態Lv7 逃げるLv6、異空間収納Lv1、身体強化Lv2、応急処置Lv2、甘い匂いLv5 、マッピングLv2、鉄壁Lv3、攻撃回避Lv2、羽ばたくLv1、隠密Lv3 吸盤Lv3


魔法

暗黒魔法Lv1、フィアーLv1、癒しの光Lv2


恒常スキル

視覚Lv6、聴覚Lv6、味覚Lv5、這うLv7、意思疎通Lv6、嗅覚Lv3


限定スキル

ワイヤーLv3、バンジースティックLv4、殲滅Lv1(獣神の宝玉)


ミミック固有スキル

魔眼Lv2【魅了】【千里眼】【石化】【吸収】【威圧】【傀儡】【変化】【爆破】【毒】【汚染】【凍結】

重力操作Lv1 おびき寄せるLv1




初級ミミックの称号が戻ってきたので、以前覚えた固有スキルはそのまま戻ってきたようだ。

補正効果もスタンダード宝箱よりも多い。

ただ、1つ気になるのが筋力の補正がやば過ぎる。

恐らく獣神の補正効果だろうが、その効果は他の補正効果の20倍以上。

しかも、限定スキルの殲滅は名前からしてもいヤバそうだ。


獣神の宝玉を宝箱に収納してから、僕の体は赤白く光り出した。

レアアイテムを収納すればこうなるのだろうか?

このままでは、自らレアアイテムを持っているとバラしているみたいだ。

宝玉を布で包んでみたり、宝箱の奥底に収納したりしてみたが、結局赤白く光ることは止められなかった。

諦めた僕は、そのまま4階層へと向かった。


階段を探す途中、襲ってくるのは人間ばかりだった。

僕の姿を見つけるたびに、指をさしながら仲間を集め出す。

おかげで新スキルの実験台には困らなかった。

特に補正がかかった物理攻撃の破壊力は、今までとは比べ物にならない。

体当たり一発で相手の体を砕き、舌を相手に巻きつければまるで紙を丸めるかの如く、くしゃっと潰してしまう。

極めつけは【殲滅Lv1】。

自分を中心に大爆発が起こり、地形ごと相手を吹き飛ばした。

ただ、使った後の疲労感は半端ない。

よっぽどのピンチでなければ使わない方が良いだろう。


4階層への階段は、カエルの沼地よりさほど離れてはいなかった。

同じように石段で年季の入った造りをしていた。

闇が深く、階段の先までは光は届いていないようだ。

僕は、周りを確認しながらゆっくりと階段を降りたのだった。


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