第14話 罠
効率よく相手を食べるには事前に弱らせておく方がいい。
今まで相手からの不意打ちばかりを受けていたけど、今度は僕が不意打ちをかける番だ。
でもどうやって?
こんな時にはチュートリアルを活用してみよう。
罠について詳しく教えてくれるかもしれない。
早速ステータス画面からチュートリアルを選択。
しばらくすると、
「やあ、光君。今度はどうしたんだい?」
(罠を作ろうと思うんだけど、どうしたらいい?)
「おーっ、やっと罠に気づいたんだね!もっと早く気づいてくれよ。たく。」
「ミミックにとって罠は大事なんだ。そもそもミミックの存在自体が罠みたいなもんだからね。罠ってロマンがないかい?相手の困った顔を見るとちょー気持ちいい。」
調子にのってどんどん話続けている。
相変わらずの鬱陶しさは変わらない。
(それでどうやって作るのさ?)
「もちろん自分で作ってもいいけど、素材がいるよね。素材を集めないと作れないよ。」
「もしくは、アバターポイントでも買えるよ。罠のカテゴリーがあっただろ?」
そんなのあったっけ?
僕はアバターリストを開き、カテゴリーを検索した。
「罠」
分かりやすいカテゴリーの中に様々な種類の罠が用意されていた。
僕のアバターポイントで買えるのはわずか数種類。
くくり罠各種ととらばさみのみだ。
くくり罠とは、踏み板を相手が踏むことで設置されたワイヤーゲートが跳ね上がり、相手の足にワイヤーが締まるというもの。ただ足があるモンスターにしか使えないようだ。
とらばさみも同様に、踏み板を踏むことで強力なばねが踏んだ足を挟むタイプとなっている。こちらも足のないモンスターには効果がないだろう。
どこまで効果があるかが分からないが、試してみる価値はあるだろう。
僕はとらばさみを購入した。
アバターポイント240→40
「とらばさみを購入しました」
僕の前にとらばさみが現れた。
買ったのはいいけど、この姿のままでどう使うんだ?
「光君、それを口にいれてみな」
えっ、口に?
「ミミックの機能の一つだけど、アイテムを食べるとそのアイテムが持つ限定スキルを使えるようになるんだ。もちろんそのアイテムを持っている間だけどね。」
「試しにそれを食べてみな」
僕は言われるまま、僕はとらばさみを口に放り込ん」だ。
「とらばさみを確認。限定スキルとらばさみLv1を覚えました」
(これってどういうこと?)
「このスキルは、とらばさみを君の意思で狙ったエリアに出現させることができる。Lvの低い間は1つだけになるけど、Lvが上がるにつれていくつもを同時に設置することが出来るようになるんだ。」
なんて便利なスキルなんだ。
「ミミックはアイテムを収納すれば収納するほど強くなる。アイテムのレア度によって得られる効果は全然違うからね。もちろん限定スキルでも使い続ければLvが上がる。ミミックは生き物でもアイテムでも食べれば食べるほど強くなれるんだ。」
なるほど。
「今は箱に入るだけのアイテムしか収納できないけど、異次元収納を手に入れらればアイテムの収納は無限大。これがミミックの真骨頂だね。」
どら〇もんの四〇元ポケットのようなものか。
「見つけたアイテムは取り合えず、収納してみる。こればミミックのもう一つの強くなる方法だね。」
なるほど、よく分かった。
もしレアアイテムばかりを収納できれば、モンスターを食べるよりも早く強くなれるかもしれない。
「じゃあ、僕はもう行くね」
チュートリアルが去った後、僕は再度今後の作戦を練り直すことにした。
モンスターからスキルを獲得するのと同時に、アイテムも探す必要がある。
この近辺にはアイテムらしいものは見つからなかった。
そろそろこのエリアから移動を開始する時期だろう。
少し恐い気がするが、このエリアから移動して敵を倒しつつアイテムを捜索しに行こう。
おそらく宝箱もあるはず。
ミミックが宝箱を狙う…。なんて冗談みたいな話だ。
決心して動こうとした矢先、正面にモンスターの姿が確認できた。
モンスターとは距離があるので、はっきりとは確認できない。
僕は目を凝らしてモンスターに集中した。
「視覚のレベルが上がりました」
レベルが上がった分、視界に写る敵の姿が少し分かりやすくなった。
鑑定スキルLv4を発動
【角うさぎ】
ダンジョンに生息する角を持つウサギ。強い脚力を持つが、臆病者で逃げる速さは天下一品。
Lv 5
HP(体力):100
MP(魔力):80
SP(スキルポイント):60
筋力:80
耐久:20
知力:100
器用:80
俊敏:120
運:30
スキル:跳ねる、突進、キック、逃げる
【スライム】
Lv 3
HP(体力):100
MP(魔力):80
SP(スキルポイント):60
筋力:80
耐久:20
知力:100
器用:80
俊敏:120
運:30
スキル:跳ねる、突進、キック、逃げる
【スライム】
Lv 3
HP(体力):30
MP(魔力):15
SP(スキルポイント):60
筋力:20
耐久:5
知力:10
器用:5
俊敏:40
運:10
スキル:這う、溶解、分裂
一匹かと思っていたのだが、スライムもついていたようだ。
ステータスを見る限り、どちらも強くはないようだ。
今度は失敗しないように…。
角うさぎなら新しいスキルの練習相手にピッタリ。
僕も相手に気づかれたらしく、角うさぎは勢いよく僕に向かってきた。
僕は角うさぎの走るスピードに合わせ、おそらく足を設置する場所にとらばさみを設置した。
ーバチンー
角うさぎの後ろ足がとらばさみによって綺麗に挟まれた。
勢い余って、前方に転倒する角うさぎ。
体当たりで傍に寄った僕は、角うさぎに毒針Lv4を発射。
暴れまわっていたが、そのまま地面に倒れてしまった。
スライムも同様。
直線的に距離を詰めるスライムに毒針Lv4を連続発射。
まともに当たったスライムは緑色に変色して動かなくなった。
罠を使えるようになって少し攻撃の幅が増えたような気がする。
もちろん防御面でも活躍してくれそうだ。
早速スライムを捕食する。
「這うを獲得しました」
えっ?これって…。
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