クラスの可愛いお隣さんはいつも僕をからかってくる
星海ほたる
第1話 プロローグ
高校一年生になった
友達はいるし、自分で言うが、ブサイクでもない。多分。だけど俺は勉強が嫌いだし彼女はいないし、今のところ好きな人もいない。だから高校という新たな新天地に期待を膨らませ、そして今、俺はえげつないほど可愛い美少女の隣の席に座っている。
教室に入って2度、いや、3度見はした……。まさか、入学してすぐに美少女に近い席に陣地を置くことができるとは夢にも思わなかった。
俺の席は一番後ろの、窓際から二番目で、その美少女が窓際の席。びっくりするほど席運がいい。だって隣は美女で場所は目立ちにくい後ろだから。
そんな強運の持ち主である俺は、『明日の朝にはベットの上で死んでるんじゃないだろうか』的なことを考えていると聞き覚えのある声が聞こえた。
「なぁ、恵。お前その席変われよ」
「やだよ、死んでも譲らねぇ。お前窓際なんだし、十分いい席だろ。てかお前、クラス同じだったんだな!」
席替え早々に俺のポディションを狙っているこいつは、運良く同じクラスでたった一人だけの親友の
身長は170センチくらいで、見た目は太くて横に少し大きいメガネ男子。
俺と同じ彼女なしで、仲いい女子なしの非リア連合軍陰キャ軍団の中心メンバーである。別に、非リア連合軍に深いエピソードがあるわけではないので説明は省く。だが優はメガネ君な見た目ではあるが陰キャでない。とにかく優と俺は非リアだということだけは確か。
「それで、なんでお前は俺と席を変わりたい? ちゃんとした理由を述べよ」
「真面目に勉強したいからだよ」
「いや、お前の席の方が、俺の席よりも前の方にあるんだけど?」
「お願いだ恵!!ここでその席にならないと俺の青春は死ぬんだ!」
「それは
そう言いながら俺は、財布からスタバの1000円券を出し、優の方にさっともっていく。
「これで許せ。次の席替えであの子の隣を引けばいいんだよ」
「くっぅ……。し、仕方ないなぁ」
そして優は青春が死ぬとは思えないほどの笑顔でスタバの1000円券を握りしめて帰っていった。これぞ賄賂の力である。流石に俺も鬼ではないので未使用の券を渡した。だから少し財布が寂しくなって辛い。
だけどこれは美少女の隣に座るため!1000円券でこの位置をキープできるなら安いものだ。
そして俺は改めて彼女の方を見る。
「いや、可愛……」
肌は色白で清潔感があり、髪は黒く長い。でもって顔も整っていてアイドルよりもアイドル!と言いたいくらいに可愛い。足もすらっと長く、身長はあまり高そうにはないが、スタイルが良くて。今まで見てきた女性の中でダントツと言っていいほど完璧な女の子だった。
別に俺自身、やましい気持ちや邪念もないのだけど、何故か仲良くなってみたいと思った。それにこんなに綺麗な人、死ぬまでにまた見られるかどうか。
「それじゃぁ、朝のホームルームを始める!」
そして好調スタートを切った新たな一日がここから始まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます