拝啓、春の風も麗らかな桜の咲く頃。お父様はいかがお過ごしでしょうか?私はー「オイ!そこの女、お前も来い!無駄な抵抗はするな、殺すぞ!」
2021 02 27
王宮内のクーデターに巻き込まれております。
事の起こりは二年前の事でした。王様が倒れ、王子が王になりました。私は王子の婚約者の一人でしたのでどなたかを一人、妃に据えて他のご令嬢は側室や親元へ返されると思っておりました。けれど、王になった王子はどなたに決めるでもなく、親元へお返しになるでもなく、宙に浮かせて他国への進行を始めたのです。現在の財政を鑑みるにそのようなことをする余裕はなく、和平交渉していくことが国力の衰退を免れることだと思っておりました。集められた妃候補は各大臣の娘で、教養もあり決断力もあるので王不在でも安心できる体制を作ることが出来ました。むしろ王の出征に無理に駆り出された彼女たちの父親の方が遠く及びません。けれど、言ってしまえば若い娘ですからどんなに良い案があろうとも何かにつけて却下されたり、手柄を横取りされてしまい疲労も不満も溜まっておりました。
昨年のことです。お父様もご存じのように王の出征で国土が増えました。けれど、飢える民も増えました。元々ぎりぎりに近い生産も、徴兵で働く人間が減りました。一番働き盛りの男手がいなくなり、生活の基盤が崩れました。女子供だけでは賄いきれるわけがありません。その男手も五体満足で帰ってこれる確証もないですから、残された民の不満は王族貴族に集中することは目に見えておりました。ですから、財務大臣の代理のそのご令嬢に税を軽くしていただくようにお願いをしていたのですが、どうも採算の合わない経費が見つかったというではありませんか。王族御用達のサロンからの取り立て。私どもは婚約者であり誓って国庫からの購入はしておりません。加えて、その仕上がったドレスは王の遠征先に送られるというではありませんか。
このまま王が帰還するまで捕まっていようとしていたけど、王が出先で恋人作って「婚約者たちの命は惜しくない、むしろ片付けてくれた方が恋人妃に出来るからむしろ殺してくれ」と通達。ご令嬢がガチギレ、連れてた大臣マジギレしてクーデター成功する話が見たい。
投げっぱなしジャーマン系異世界転生(又は令嬢)ネタ 英 万尋 @hanabusamahiro
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。投げっぱなしジャーマン系異世界転生(又は令嬢)ネタの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます