第6話 須磨の恨み
老人は購入が終わると、早速メールを開いた。メールのプロモーション関係の受信トレイに“新着一件”と表示されていた。
『魂コレクターズ to自分』
本文にはこう書いてあった。
『この度は魂コレクターズでの商品のご購入どうもありがとうございました。商品は以下のものでよろしいでしょうか。
須磨加奈子の魂 1点
もし間違え等ございましたら、魂コレクターズコールセンターにお問い合わせくださいませ。そして、大変失礼ながらお名前のご記入がされておりませんでしたので、このメールにてお名前をうかがってもよろしいでしょうか。大変ご迷惑をおかけしまして申し訳ございません。ポイントは今回のみ、2倍のポイントを差し上げます。
これからも、魂コレクターズをお楽しみください。そして、商品の到着を楽しみにお待ちくださいませ』
おっと、入力したはずだったのだが、いつの間にか抜けていたようだ。急ぎ、メールの返信を送る。
『お疲れ様でございます。そして、名前の件申し訳ございませんでした。
送信完了と表示された。
そのあと、遠慮なくポイントゲットのボタンを押し、40ポイントを獲得した。
そして、それはその日の夜のことだった。
ピーンポーン
夕飯の準備をしていたところにインターホンが鳴った。
夕飯の準備といっても、買ってきた弁当を温めているだけなのだが。
「はい、どちら様でしょう?」
「宅急便でーす」
実際、普通の宅急便の服装だった。だが、思い当たるものがない。
(あれ、そんなもん頼んだっけな・・・・・?)
なぜって、頼んだもんはないし、魂コレクターズのもんなら、いくらなんでも早すぎる。
「置き配しておきますね~」
そういうが速し、老人には返事もさせずに、配達員はトラックに乗り込んでしまった。
――なんだ・・・・・?
トラックが去ってから、段ボールを中にいれ、恐る恐る開けてみた。
綿が詰められている。中に入っていたのはビンだった。
「なんだ、このビンは」
と、思うと、中に紙が入っていた。
『魂コレクターズ@o@ 速達でお届けいたしました』
そして、その下には
『須磨加奈子の魂 お届けいたしました。もし何か手違いがあれば、コチラまでご遠慮なくおかけくださいませ。(電話番号)』
と書いてる。
少し怪しいが、間違いなく魂コレクターズのものだ。
ビンを開けてみると、何かが飛び出した。火の玉のようなものだ。火の玉は老人の周りをぐるぐる回る。それは、だんだん形を成していき、写真で見た家政婦の形になった。
「・・・・・あなたが、金子厚哉・・・・・私、須磨加奈子は、一度金子という老人にセクハラされたことがある。それ以来、金子という名の老人は気に入りません・・・・・」
「は?セクハラなんかしたことないぞ」
「だから、金子という老人が嫌いなのです・・・・・」
そういうと、須磨は老人の方へ近づいてきた。そこには、献立のレシピと一緒に、包丁が握られていた。
「う、う、う・・・・・ウアァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」
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