幻想は彩る

プロローグ

風が吹くから枝は靡き、木の葉は宙を舞う、台地に日が差すから鳥は歌い、花々は笑顔を見せる。この世にはびこる全ての存在は互いに「影響」をおよぼしあっている。それは時に生と死を隔てる壁さえも超えることもある

あの日、あの時、あの場所で君が僕に与えた「影響」は瞬く間に、僕の濁った青春を彩った。狂おしい程に尊い、それでいてちょっぴり不思議な君と僕のひと夏の物語は、この先に続いてゆく人生という名のキャンパスにどれ程の「影響」を与えるのだろうか。