僕はボロクソ言われてきました!

羽弦トリス

第1話飲み友達の魂胆

僕は若い頃、ガードマンのバイトをしていた。

その時に、話しが良く合って飲み友達になった僕より1歳年下の男がいた。

ガードマン時代は飲み代は割り勘にしていたが、僕が団体職員になるとガードマン時代の3倍の給料を貰うようになり、その男と飲む時だけ、飲み代をおごってやった。

悪い男では無かったが、ある夜いつもの回らない寿司屋で、酔ったそいつが店員と話しているのを聴いていた。

「お客さん、お友達さんと仲いいですね」

「そうでも無いよ。こいつがいつも金払ってるから付き合ってんの。金がなけりゃコイツとは絶対に飲まないよ」


僕は開いた口が塞がらない。なんて、ヤツなんだ。

だから、人間は酒を飲まないヤツは信じられない。酔って本音を吐いたのだ。

その店の飲み会で、そいつとは縁を切った。

19年前の話しだが、思い出す度に悲しくなったり、頭に来たり。

それをきっかけに飲み代は家族は別だが、会社の飲み仲間とは割り勘にするようになった。

まだ、若かったな~、あの頃は。

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