カフェ
Xさんは漫画家をやっている。
「漫画にする前にネームって簡単な下書きみたいなものを描くんです」
家だと煮詰まってしまうので大体近所のカフェで執筆している。
今のお気に入りはT駅すぐ近くのカフェらしい。
ほどよく賑やかだけど落ち着いててすごく居心地が良いそうだ。
「この間、せっせとネームを描いてたら隣から『漫画家なんですか?』って女の子から話しかけてもらえたんですよ」
はい、と答えて顔を上げると血塗れで頭がぱっくり割れてる少女だったそうだ。
「僕、ちょっと見えるというか霊に話しかけられやすいんです」
Xさんがカフェによく来るのは落ち着くだけが理由ではない。
このカフェは駅から近いこともあって、色んなタイプの幽霊が出没する。
彼のように常にネタ探しをしている人間には格好の場所なのだ。
「今度、漫画にその体験談描くんです」
Xさんはホラー漫画家だ。
完
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