第6話 魔道院に行こう!

三回の講座が終わり、今日は朝早くから隣接する魔道院にて魔法について教わっている。



 楽しみにしていた魔法の勉強だ。



 リズさんに連れられて三回建ての建物の教室を使っている。



 魔道院は基本的に研究がメインになるらしく、ここの教室はなかなか使われないようだ。



 指導してくれる人は何故か護衛兼世話役のリズさんだった。



 授業の内容をまとめるとよくある軽快小説系では主人公が無詠唱魔法を使ったりするが、この世界では詠唱と思考入力の両方のメリットデメリットを意識して使う必要があるようだ。



 まず、思考入力による発動にはイメージをしっかり持つことが大事で、それを実現可能な形に変換して魔力に載せる形となるらしい。そのため、詠唱というワンクッション置くことでより具体的にイメージしやすくするそうだ。まあ、これは理解できた。



 一方、詠唱による発動の場合は言葉として自分の意思を伝えるため、こちらのイメージを明確に伝える力があり、その分だけ魔法の威力や精度が高くなる傾向であり、一度発動さえすれば再現性が高い。ただし、こちらは長い時間を掛けて何度も練習する必要がある上に、咄嵯の判断が必要な戦闘中にいちいち唱えていては命取りになるため、よほど強い魔法使いでもない限り普通は使わない。



 しかし俺が講義を受けているのは高い教養を持ち国家戦略兵器である一級魔導士があつまる魔道院である。従って否応なしに詠唱魔法を勉強することになる。



 そして魔法理論の授業を終え、今度は実践魔法について教えてもらうことになったのだが、ここで俺はある事実を知ることになる。



 そう、先生は一級魔導士エリオンと呼ばれる人物。俺をこの世界に送り込んだ次元魔法の先駆者でありある種のマッドサイエンティストなのだ。転移させた事に関してはお互い故意ではないので最初に和解した。



 しかし高身長高学歴イケメンという俺からしては転移させたこと以上に断罪するべき人間である。



 そんなくだらないことを考えているうちにエリオンの講義が始まった。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



魔道院:


アスタルテ王国が誇る施設。王宮に隣接している。

大学において非常に優れた魔術の成績を修め、かつ特異な才能を集める機関。

魔術師、魔導士を志すものの夢の場所である。

王国の全ての一級魔導士が籍を置いている。

有事の際は王国の最高戦力となる。

極秘の実験が日夜行われている。



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