酒に溺れた情けない青年が、占い師の綺麗な顔面をメチャクチャにするお話。
タイトル通り、と思いきや、たぶんタイトルから抱いた印象の十倍くらいはすごい暴力の嵐だったのでびっくり。
「酒カス」度合いも想定以上というか、本当にこの人なんもいいとこない……(せっかくの美形の顔面になんてことを!)
でもこの主人公のダメさ加減が逆に良いというか、なんか一周回って気持ちいいのが好き。
そもそも個人的にダメ人間そのものが好き、というのはあるんですけど。それにしたってあまりにも好感の持てない感じの、その生々しさが読んでて胸にぐいぐい来ます。
占い師の彼(リューイチ先輩)を妬むところ(というか、先輩の不幸を望んでしまう心理)とか、「わかる」ってなっちゃうのがこう、嫌なんだけど楽しいんだけど嫌、みたいな……。
章題が好きです。『酔っぱらいによる嵐のような暴力』。内容が本当にそれそのものだったところも含めて大好き。