第19話 ヌル遺跡とソレッキ
祖父は、話を続けました。
「ヌル遺跡は、山脈に隔てられていて辺鄙な所にあり、道もない。どういうわけか、あの付近では、通信機器はノイズが酷くなり使いものにならない。上空ですらときどき精密機器が誤作動を起こす事があり、ヘリであそこの場所に行くのも危険だそうだ。それを敢えて、調査しようとした人がいた。ロバート・ソレッキという人だが、彼と、その調査隊は、苦労してヌル遺跡に行っていた。何回か調査を繰り返したあと、そこで全滅した」
「全滅って……どういうこと?」
「彼らが帰って来ないので、捜索隊が向かった。ヌル遺跡には、ロバートの遺体があり、ほかの隊員は遺体も、持ち物すら見つからなかった。ロバートの死因は、心臓発作ではないかと言われているが、遺跡で何が起きたのかは、まったくわからない。命知らずの研究者も、ヌル遺跡には行きたがらなくなった。当時は騒ぎになったが、何より辺鄙な場所で、準備もなく迂闊に行くと辿り着く前に、遭難してしまう。世間は、それで忘れ去っていった。
しかし、ロバートの息子である、チャールズ・ソレッキは、危険を顧みずヌル遺跡を研究し続けている」
それで、祖父は、石板の写真を指さしました。
「これは、ロバート・ソレッキが遺跡から発掘したものだ。下の文字も、チャールズが一部解読したと聞いている。知り合いを辿って、チャールズ・ソレッキに連絡を取ってみよう」
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