第11話 スマートキー
ジョンも「わからない」と言いました。石が自分で歩きだすはずもなく、誰かが持ち去ったとしか思えません。しかも、車を壊されていないので、誰かがスマートキーのセキュリティを巧妙に破ったとしか考えられません。
ほかに盗まれたものはないのか、ジョンに聞きましたが、車からは石だけが無くなっていたと彼は言いました。
車のスマートキーのセキュリティを破りかつ、石だけを盗む。それは、ただの車上荒らしとは考えにくいと思いました。
私は、ジョンに、「石の事を誰かに話さなかった?」と尋ねました。
彼は、一人だけ話した人間がいると答えました。それは、カイ・デソーサという友人で、発明家もどきの研究者だという事でした。「通信障害を起こす骨董品が珍しかったので、デソーサに意見を聞いた。デソーサは電源がないのに、変調を起こすほどの電波が出る遺物の原理にとても興味があると言っていた」と、彼は言いました。
それを聞いて、私は、この人物がとても怪しく感じられました。私は、機械の事は詳しくはわかりません。でも、スマートキー開錠の技術がありそうで、かつ具大抵な動機まである人間は、そういないような気がしたのです。
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