10.わかった、小説のためだもん。私にできることなら……。

 ええ?

 私にこれを着てほしいの?

 こんなのいつ買ったの?

 さすがにこれは……。

 恥ずかしいかな……。

 ああ、そんなに落ち込んじゃうんだ?

 ガッカリしちゃうんだ?

 ……そんなに、私に着てほしかったの?

 そのために買ったの?

 もう、しょうがないなぁ……。

 わかった、小説のためだもん。

 一回だけだからね。

 私にできることなら……。

 なんでもするって約束したもんね……。


 着替えてきたよ。

 チアガールの衣装。

 サイズが少し小さくて……。

 どうかな?

 変じゃないかな?

 似合ってる?

 スカート短すぎない?

 そう。

 喜んでもらえてよかった……。

 ちょっと恥ずかしいけど。

 もう!

 そんなジロジロ見ないでよ!

 この完璧美少女にこんな格好させて。

 これで書けなかったら、ただじゃおかないぞ。

 もう着ませんからね!


 ほら、早く机に戻って!

 ずっと見てないで。

 恥ずかしいから……。


 そ、それじゃいくね。

 フレー!

 フレー、あなた!

 頑張って、頑張って!

 えいえいおー!

 えいえいおー!

 ぐるりとまわってー。

 ジャンプ!

 

 頑張れー!


 どう?

 これでいいかな?

 え、もう一回?

 よく見えなかったって?

 んんんー。

 何が見えなかったのかな……?

 気をつけて飛んだんだから当然です!


 ちゃんと書かないんだったら……。

 ああ!

 すごい残念そうな顔になってる!

 しょうがない。

 あと一回だけだからね。


 フレー!

 フレー、あなた!

 頑張って、頑張って!

 えいえいおー!

 えいえいおー!

 ぐるりとまわってー。

 やぁっ!

 ジャンプ!!


 ええ?

 今度はバッチリだったって?

 もう!

 知らないんだから!

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