6.私はただ、あなたの小説が読みたいだけで……そんなんじゃないんだから///

 え?

 どうしてここまでしてくれるのかって?

 言ったでしょ。

 私はあなたのファンですから。

 あなたに素敵な小説を書いてもらえるようにサポートしたいの。

 美味しいご飯を食べてほしいし。

 快適な部屋で過ごしてほしいし。

 健康でいてほしいの。

 そのためには、一緒に住まないといけないでしょ。

 そう。

 それだけだよ。

 私はただ、あなたの小説が読みたいだけで……。

 あなたの新作を待ち望んでいる、いちファンだよ。

 だから、そんなんじゃないんだから。

 押しかけ女房だなんて誰が言ったの?

 恥ずかしいな。

 まわりからはそんな風に見えちゃうのかな?

 結婚とか。

 女房だとか。

 だ、旦那さまとか……。

 私たち、まだ全然そんなの早いよね。

 だって一緒に住んでるけど。

 まだ、だって私たち……。

 

 ねえ、あなたはどう思いますか?

 あなたは、私のこと、どう思ってくれていますか?

 押しかけ女房なんて思ってないよね?

 私がいて、うれしい?

 私はあなたの役に立ってるよね?

 そういえば、聞いたことない。

 私は完璧美少女だけど。

 突然あなたのファンですってやってきた女の子を、あなたは受け入れてくれたよね?

 私、最初は断られるんじゃないかって不安だったけど。

 あなたはやさしく迎え入れてくれたよね。

 あれから、私、あなたのためを考えて精一杯サポートしてきたよ。

 私のこと、必要としてくれてる?

 私のこと、どう思ってくれているの?

 あなたから聞きたいの。

 私?

 私は……。

 恥ずかしいけど言いますね。

 私はあなたのこと、大好きです……。

 ……あなたは?

 

 あっ!

 逃げた!

 私にだけ言わせて、ずるいよ!

 待ってよ!

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